ビッグバンド・ジャズは楽し・43
ジャズのライブでの花形的存在が「ビッグバンド」。ジャズとして、商業ベースに乗ったビッグバンドの出現から、そろそろ100年、経つのではないだろうか。何時の時代にもビッグバンドは存在し、ビッグバンドはジャズにとって不可欠な存在であった。ジャズをずっと聴き続けていると、時々、ビッグバンドに耳を傾けてスカッとしたい瞬間が必ずやってくる。
Christian McBride Big Band『Bringin' It』(写真左)。2017年9月のリリース。グラミー賞を受賞した『The Good Feeling』から6年振り。クリスチャン・マクブライド、待望のビッグ・バンド第二弾! オーソドックスな、従来からの伝統的なビッグバンド・ジャズの音世界が心地良い。ジャケットも良好。このジャケットを見ただけで、中の音の優れ度合いが想像できる位だ。
6年振りの第2弾とのこと。前作『The Good Feeling』の出来が非常に良かっただけに、第2作目のリリースまで、6年も空いたのが意外。やはり、ビッグバンドはコストがかかり過ぎるのかな。でも、今回の第2弾『Bringin' It』を聴いていると、しっかりと準備し、人選もしっかりとして、用意周到、満を持してのリリースであることをビンビンに感じる。
ジャズのビッグバンドともなれば、ユニゾン&ハーモニーの迫力とドライブ感、切れ込むアドリブフレーズ、というど迫力な感じがするのだが、このクリスチャン・マクブライドのビッグバンドは、従来のジャズのビッグバンドのコモンセンスとちょっと趣が違う。大阪弁で言う「シュッとしている」、そして、迫力よりは「小粋でお洒落」でカッチリしている。
マクブライドはベース奏者として、従来通りの高い実力を発揮しつつ、バンドリーダーとしての統率力を遺憾なく発揮している様だ。このビッグバンドのアレンジはとても個性的。しっかりとジャズの伝統に根ざしながら、最近のコンテンポラリーな純ジャズの要素を積極的に採り入れ、融合させている。ある意味、本作はマクブライドから純ジャズ者の方々への贈り物であろう。
純ジャズを基本とした演奏の数々は聴き応え十分。米国ルーツ・ミュージックの要素をそこはかと無く取り込みながら、クリスチャン自身のアレンジも、ビッグバンドとしてのクォリティも、前作と比較して、かなりのレベルでのパワーアップが図られているところに好感を覚える。本当にジャズの伝統、ジャズの基本に忠実で真摯なビッグバンド・ミュージックである。
★東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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