« 第1期RTFの裏の好盤です。 | トップページ | あっさりとしたオルガンの音色 »

2017年12月16日 (土曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・43

ジャズのライブでの花形的存在が「ビッグバンド」。ジャズとして、商業ベースに乗ったビッグバンドの出現から、そろそろ100年、経つのではないだろうか。何時の時代にもビッグバンドは存在し、ビッグバンドはジャズにとって不可欠な存在であった。ジャズをずっと聴き続けていると、時々、ビッグバンドに耳を傾けてスカッとしたい瞬間が必ずやってくる。

Christian McBride Big Band『Bringin' It』(写真左)。2017年9月のリリース。グラミー賞を受賞した『The Good Feeling』から6年振り。クリスチャン・マクブライド、待望のビッグ・バンド第二弾! オーソドックスな、従来からの伝統的なビッグバンド・ジャズの音世界が心地良い。ジャケットも良好。このジャケットを見ただけで、中の音の優れ度合いが想像できる位だ。

6年振りの第2弾とのこと。前作『The Good Feeling』の出来が非常に良かっただけに、第2作目のリリースまで、6年も空いたのが意外。やはり、ビッグバンドはコストがかかり過ぎるのかな。でも、今回の第2弾『Bringin' It』を聴いていると、しっかりと準備し、人選もしっかりとして、用意周到、満を持してのリリースであることをビンビンに感じる。
 

Bringin_it_1

 
ジャズのビッグバンドともなれば、ユニゾン&ハーモニーの迫力とドライブ感、切れ込むアドリブフレーズ、というど迫力な感じがするのだが、このクリスチャン・マクブライドのビッグバンドは、従来のジャズのビッグバンドのコモンセンスとちょっと趣が違う。大阪弁で言う「シュッとしている」、そして、迫力よりは「小粋でお洒落」でカッチリしている。

マクブライドはベース奏者として、従来通りの高い実力を発揮しつつ、バンドリーダーとしての統率力を遺憾なく発揮している様だ。このビッグバンドのアレンジはとても個性的。しっかりとジャズの伝統に根ざしながら、最近のコンテンポラリーな純ジャズの要素を積極的に採り入れ、融合させている。ある意味、本作はマクブライドから純ジャズ者の方々への贈り物であろう。

純ジャズを基本とした演奏の数々は聴き応え十分。米国ルーツ・ミュージックの要素をそこはかと無く取り込みながら、クリスチャン自身のアレンジも、ビッグバンドとしてのクォリティも、前作と比較して、かなりのレベルでのパワーアップが図られているところに好感を覚える。本当にジャズの伝統、ジャズの基本に忠実で真摯なビッグバンド・ミュージックである。
 
 
 
★東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 第1期RTFの裏の好盤です。 | トップページ | あっさりとしたオルガンの音色 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ビッグバンド・ジャズは楽し・43:

« 第1期RTFの裏の好盤です。 | トップページ | あっさりとしたオルガンの音色 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー