第1期RTFの裏の好盤です。
なんやかんや言いつつ、エレベ(エレクトリック・ベース)については、スタンリー・クラークがずっとお気に入りである。スタンリー・クラーク(Stanley Clarke)。1951年6月生まれ。今年で66歳。チック・コリア(Chick Corea)の下、あの伝説のエレジャズ・バンド「リターン・トゥー・フォーエバー(Return to Forever=RTFと略)」のオリジナル・メンバーとして有名。
クラークは、アコベもエレベもいける両刀遣い。どちらの楽器に関しても一流である。テクニックがどうの、という次元を超越した、とにかく格好良いベーシストです。とりあえずペンタで速弾き、3フィンガー高速6連弾き、エモーショナルコード弾き、スラップしまくる、弦を手で叩きまくる、などなどの必殺技を繰り出す繰り出す。後進のベーシストに多大な影響を与えました。
Stanley Clarke『Children of Forever』(写真)。1972年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Stanley Clarke (b), Chick Corea (key), Pat Martino (g), Lenny White (ds), Arthur Webb (fl), Dee Dee Bridgewater, Andy Bey (vo)。ギターにパット・マルティーノ、ボーカルにディー・ディー・ブリッジウォーターの参加が目を惹く。
スタンリー・クラークの「RTF」在籍時にリリースした初リーダー作。内容的に「第1期RTF」の雰囲気そのままです。ボーカルが違う、ギターいたっけ、というところはありますが、基本は明らかに「RTF」。キーボードがチック、ドラムが後のRTFメンバーのレニー・ホワイト、加えて、エキゾチックでスピリチュアルなボーカル入り、そして、主役のクラークのベースがブンブン唸るので、どうしても「第1期RTF」を想起します。
しかし、出来は良い。確かにチック・コリア主導で事実上はチックのリーダー盤といって差し支えない内容ではあるが、ベースは絶対にスタンリー・クラークでないと成立しない音世界ではあるので、チックの影響が色濃いとはいえ、クラークのリーダー作として差し支えない。パット・マルティーノのギターもなかなかの活躍。ボーカルのディーディーとベイのボーカルの雰囲気がフュージョン。
スピリチュアル&クロスーオーバーな音作りが、今の耳にはユニークです。特にアコピのアコベの存在が面白い効果を醸し出していて、唯一無二のコンテンポラリーな純ジャズに仕上がっています。「RTF」の延長的な作品であるため、ファンの間ではこれをクラークのソロとカウントしないらしいが、それでも、RTFの裏の好盤のして、この盤は聴き応えがあります。
東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« ECMレーベルらしい音・7 | トップページ | ビッグバンド・ジャズは楽し・43 »
コメント