リトル・フィートのファースト盤
米国西海岸のいわゆる「ウエストコースト・ロック」は奥が深くて面白い。イーグルスなどに代表されるような「カルフォルニアの爽やか青い空」を想起させる、爽やか系のフォーク・ロックや、カントリー・ロックばかりと思いきや、「なんでこれが西海岸で」と悩んでしまうようなジャンルもあったりする。
米国南部の泥臭くワイルドなサザン・ロック風の「リトル・フィート」や「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」など、アメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにしたロックも、また、ここ西海岸を拠点にしていたのだから面白い。リトル・フィートは、ロサンジェルスを拠点にしながら、ニューオーリンズR&B、ブルース、カントリー、ジャズなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を色濃く押し出しているサウンドが特長。
そして、セカンドアルバム以降に採用された「ネオン・パーク」の個性的なイラストを採用したジャケット・デザインが印象的。商業的に恵まれませんでしたが、僕にとっては大のお気に入りバンドです。1969年に結成されて以来、1979年、ローウェル・ジョージの死と共に一旦、活動を停止しましたが、1988年、突如復活。幾度かのメンバー・チェンジを経て、未だ現役バンドなのは驚きです。
そんなリトル・フィートのデビュー盤が『Little Feat』(写真左)。リトル・フィートは、ロサンジェルスでフランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションのメンバーだったローウェル・ジョージ(スライド・ギターとヴォーカルを担当)、ロイ・エストラーダ(ベース)を中心に結成された。このファースト盤は、1971年のリリースになる。
ジャケットを見ていただいてお判りのとおり、シンプルな手触りのするファーストアルバムである。米国南部のルーツ・ミュージックの要素、1960年代後半、米国西海岸で流行だったサイケデリック・ミュージックの要素など、様々なジャンルの音楽のエッセンスを取り込み、得意のロックンロール仕様に仕立て上げた、と言う感じの、ごった煮感満載の、ちょっと荒っぽい感じのするアルバム。
リトル・フィートのファンの間の評価は真っ二つ、賛否両論みたいですが、僕は好きですね〜。リトル・フィートのルーツとなっている音楽ジャンルがはっきりと判るし、荒っぽく、完成度の低い楽曲の中にも、後のリトル・フィートの個性が確認出来て、実に楽しい。商業的には全く不振だったようだが、そりゃそうだろう、このアルバムの内容だったらね。渋すぎるし、時代が早すぎた。
東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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