リゾート志向の冬のユーミン盤
僕にとってのユーミン盤は、それぞれに季節感がついてくる。僕が感じるには、ユーミンの盤にはそれぞれ、独特の季節感が流れていて、その季節毎に聴くユーミン盤が変わる。ただし、この季節感を感じるユーミン盤は、1989年リリースの『LOVE WARS』までに限定される。なぜか、1990年代以降のユーミン盤には、この「季節感」が感じられなくなっている。
さて、今年もそろそろ「冬」である。冬の季節を感じると、必ず聴きたくなるユーミン盤が何枚かある。その筆頭が、松任谷由実『SURF & SNOW』(写真)。1980年12月のリリース。キャッチコピーは「忘れないで、ときめくホリディを!」。僕はリアルタイムで、リリース日当日にこの盤を入手している。
もともと発売日が12月1日だったこともあり、収録曲の「恋人がサンタクロース」と「雪だより」をとても印象的だったこともあって、僕の頭の中では、この盤は「冬のユーミン盤」になった。加えて、1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」のオープニングに印象的に使われた「サーフ天国、スキー天国」のイメージが加わって、この盤は「冬のユーミン盤」として”確定”された。
タイトルが『SURF & SNOW』なので、「灼けたアイドル」や「人魚になりたい」など夏の曲もある。「サーフ天国、スキー天国」だって、曲の半分はサーフィンの情景なので「夏」である。しかし、この盤がリゾート志向の曲作りになっている為、僕の頭の中では、夏の部分は、日本の冬での「夏」の地域。南半球もしくは常夏の島の話として解釈している。
他の曲、「まぶしい草野球」は春まだ浅い冬の終わりの季節設定だし、「シーズン・オフの心には」や「恋人と来ないで」も冬の季節がピッタリだと感じる。「彼から手をひいて」や「ワゴンに乗ってでかけよう」はオールシーズン・タイプの曲なんで、どの季節にも、つまりは「冬」にも合う。
よって、僕の中では、この『SURF & SNOW』は「リゾート志向の冬のユーミン盤」。それぞれの曲のアレンジも良好、当時のニューミュージックと呼ばれる曲の中でも、そのポップス感は突出している。当時としては、新しい感覚のポップ・ロックとして先端を行く存在だった。今でも、この木枯らし吹く季節になると、この盤が聴きたくなる。今年もそろそろ本格的な冬である。
東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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