« 「ハッピーな演奏」が実に良い | トップページ | ECMレーベルらしい音・5 »

2017年11月27日 (月曜日)

ECMレーベルらしい音・4

僕はこのアルバムで、パット・メセニーに出会った。大学の友人宅で聴かせて貰った。当時、ロックしか知らない音楽野郎で、ジャズは全く知らなかった。そして、その友人は「お前のキャラからするとECMやなあ」とブツブツ良いながら、このアルバムをかけてくれた。スピーカーから出てきた音は、今までの音楽体験の中で、全く、聴いたことの音世界だった。

Pat Metheny『Watercolors』(写真左)。1977年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Pat Metheny (g, 12-string g, 15-string harp-g), Lyle Mays (p), Eberhard Weber (b), Danny Gottlieb (ds)。Pat Metheny Group(PMGと略)で盟友となるピアノのライル・メイズとの初共演盤になる。

こんなジャズがあったんや、と感動した。それまでのジャズの印象とは全く違う、というか、全く新しいジャズの形だと思った。ファンクネスは皆無。黒さは全く感じられず、逆に米国ルーツ・ミュージックの1つである「フォーク、カントリー、ポップス」の要素を取り込み、自然の風景や気候を感じさせる、フォーキーでメロディアスなフレーズが特徴。僕は勝手に「ネーチャー・ジャズ」と形容している。
 

Watercolors

 
タイトルが「色とりどりの水」なので、全編聴き通すと「水」にまつわる様々な景色、模様が浮かんできます。面白いです。印象画の様なコンテンポラリー・ジャズとでも言いましょうか、穏やかではあるが、濃密かつ親密な音世界がとても魅力的です。音で情景を紡ぎ上げていく。そして、適度に豊かなエコー。典型的な「ECMレーベル」の音世界です。

ゴットリーブのドラムが印象画の様な音世界に適した「躍動感」を与えている。ウェーバーの柔軟で流麗なアコベとエレベが、パットのギターのベース・ラインに寄り添って、パットのギターをグッと浮き立たせ、グッと惹き立たせている。そして、ライル・メイズのピアノは「言わずもがな」、パットのギターに最適なピアノの音を止めども無く供給し続ける。とにかくリラックス出来る好盤。

フォーキーでメロディアスなフレーズが爽やかで優しい。パットの切れ味良く、やや捻れ気味にウォームなエレギの音は一度聴いたら忘れられないほど「個性的」。このパットのギターの音色とひねり出すフレーズが気に入るか、気に入らないかで、パットの評価は正反対に二分されるだろう。で、僕はパットのギターが大好きです。ジャズを聴き始めた頃に、この『Watercolors』に出会ったことは、僕にとって実に幸運な出来事でした。

 
 

東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 「ハッピーな演奏」が実に良い | トップページ | ECMレーベルらしい音・5 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ECMレーベルらしい音・4:

« 「ハッピーな演奏」が実に良い | トップページ | ECMレーベルらしい音・5 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー