米国フォーク・ソングの好盤
1970年代前半、高校1年生の時にロックの洗礼を受けてから、暫くは「プログレ小僧」だったのだが、1970年代半ばには、プログレは失速、なんだかつまらんなあ、と思っていたら、オールマンズに出会い、レイラに出会い、サザン・ロック、スワンプ・ロックから、最終的にはザ・バンドなど、米国ルーツ・ロックに着地した。
もともと、米国ルーツ・ミュージックは好きだった。フォーク、ブルース、ゴスペル、R&Bと、小学6年生くらいから、ラジオを通じて楽しみ始めていた。中学時代は、米英のポップスが好きになり、米国ルーツ・ミュージックも楽しみながら聴いていた。特に、1970年代初頭は、シンガーソングライター(SSW)中心のフォーク・ロックが流行。ラジオなのでシングル中心にはなるが、結構、カセットテレコで録音しては聴いていた。
John Denver『Back Home Again』(写真左)。ジョン・デンバーは米国のSSW。「デンバー」は芸名。彼がこよなく愛したコロラド州の州都デンバーにちなんでつけたもの、とのこと。1970年代の米国フォーク・ソング界の代表的存在であった。そんな彼が1974年に残した好盤である。
曲の題名を眺めて見ると、「バック・ホーム・アゲイン」「おばあちゃんの羽ぶとん」「緑の風のアニー」といった家族への愛の歌、「緑の木陰」「日食」のような自然賛歌、「マシュー」「スイート・サレンダー」のように人生に関する歌、夢のある「オン・ザ・ロード」等、フォーク・ソングらしい、健康的で誠実な楽曲で埋め尽くされている。これがまあ、聴いていて心地良いのだ。
当時、高校時代、我が映研はプログレとハードロックが中心。とてもじゃないが、米国フォーク・ソングを聴ける環境では無かった。当然「僕、米国フォーク・ソングも好きで、ジョン・デンバー、時々聴きます」なんて、カミングアウトすることは絶対出来なかった。でも、家で密かに、プログレやハードロックの合間の「耳休め」にこのアルバムを聴いたものだ。
特に「緑の風のアニー(Annie's Song)」は絶品。爽やかで誠実な、実にシンプルでフォーク・ソングらしいラブソングである。聴いていて爽快な気分にさせてくれる。晴れた日の朝はもちろんのこと、今日の様に雨の一日でも、静かな部屋の中で雨音を感じながら聴くと、気分はリラックスし、清々しい気分になる。たまには、こういう健康的で誠実なアルバムも良いものである。
東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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