クライスバーグを聴かねば
1980年代後半、マンネリがたたって、飽きられ廃れたフュージョン・ジャズ。ソフト&メロウなフュージョン・ジャズは、その音世界の洗練度合いを向上させて「スムース・ジャズ」というサブ・ジャンルを形成するに至り、これが一定の人気を維持している。
しかし、21世紀になった今でも、1970年代後半から1980年代前半が全盛期の「フュージョン・ジャズ」の雰囲気をしっかりとキープした好盤が一定量リリースされ続けている。「時代の徒花」なんて揶揄する評論家の方々もいらっしゃるが、やはり、フュージョン・ジャズの音作りと演奏全体の雰囲気に魅力があるということだろう。
Jonathan Kreisberg『The South of Everywhere』。2007年のリリース。「ジョナサン・クライスバーグ」。長い名前だ。1972年生まれだから、今年で45歳。中堅である。元プログレバンドのテクニシャン・ギタリストが、ギターをホーンのように使用した奏法を多用した演奏が印象的。聴いていて、フュージョンやなあ、と心から思えるアルバムである。
「ジョナサン・クライスバーグ」は我が国での知名度は低い。不思議である。これだけ手を抜かない、ハイテクニックで流麗なエレギ。アダム・ロジャース、カート・ローゼンウィンケルと並ぶコンテンポラリー系ギタリストを代表する一人。しかし、この盤などを聴いて貰えれば、この気持ち、判って貰えると思います。
クライスバーグ自身のオリジナル6曲にスタンダード2曲の構成。時に流麗に、時には攻撃的に展開するクライスバーグのギターは聴き所満載です。もともとロック畑のギタリストである。今のフュージョン・ギタリストのフレーズの中に、おやっと思うくらいに明確なロックなフレーズがとっても素敵である。エレギの取り回し、アドリブ・フレーズはしっかりとフュージョン・ジャズの雰囲気をキープしている。
現代のコンテンポラリーなジャズの中で、注目すべきギタリストの一人だと思います。クライスバーグの持つ、ギタリストとしてのテクニックと感性は素晴らしい。クライスバーグをもっと聴き込まねば、とこの盤『The South of Everywhere』を聴いて自省した次第です。
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