デビティは「ソフト&メロウ」
フュージョン・ジャズの前身が「クロスオーバー・ジャズ」。クロスオーバー・ジャズの前身が「イージーリスニング・ジャズ」。1960年代後半辺りから、着実に進歩し、着実に発展、そして、1970年代後半から1980年代前半にかけて一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。フュージョン・ジャズの個性は、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。
David T. Walker『Press On』(写真左)。 1973年の作品。ジャケットも渋い。David T. Walker(デヴィッド・T・ウォーカー=略して「デビティ」)は、モータウン黄金期を支えた世界一ソウルフルなギタリスト。ジャズ、ファンク、R&Bの数々の名盤を支えてきたギタリストである。デビティのエレギは「メローギター」、そして、ソウルフルな「フィルインフレーズ」。
1973年の作品なんですが、この『Press On』でのデビティのエレギは「フュージョン・ジャズ」。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。ちょっとくすんだ切れ味の良い弦の響き。これが1973年、ジャズのトレンドは「クロスオーバー・ジャズ」の時代に、フュージョン・ジャズな音を完全に先取りしている。
グルービー満載のタイトル曲の「Press On」、4曲目、The Delfonicsの名曲「Didn't I Blow Your Mind ThisTime」のカヴァーでは、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なデビティのエレギが炸裂。ビートルズのカヴァー、5曲目の「With a Little Help from My Friends」では、途中、ホーン・セクションが絡んで、どんどん熱くファンキーな展開になっていくところが格好良い。原曲よりファンキーな、6曲目の「Superstition」。
収録されたいずれの楽曲も雰囲気は統一されていて「フュージョン・ジャズ」。決して「クロスオーバー・ジャズ」では無い。ちなみにパーソネルを見渡して見ると、リーダーのDavid T. Walker (g), Harvey Mason (ds), Charles Larkey (b), Joe Sample (key), Bobbye Hall (cong) など。明らかに、フュージョン・ジャズを代表するミュージシャンがズラリ。しかし、この盤は1973年にリリースされている、というところが凄いのだ。
フュージョン・ジャズを3〜4年も先取りした、デビティの『Press On』。Ode3部作の2作目にあたり、この盤『Press On』を聴くと、残りの『David T. Walker』(1971年作品)、『On Love』(1976年作品)も一気に聴きたくなります。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なエレギの音。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。デビティのエレギは「ソフト&メロウ」です。
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カーペンターズとエルトンジョンにハマってた73年に
既にクロスオーバーしてたとは知りませんでした!
ちなみにプロデューサーは誰でしょうか?
投稿: ショッポ | 2017年10月 5日 (木曜日) 05時14分