ルー・ソロフのトランペット
Electric Bird(エレクトリック・バード)。純日本のジャズ・レーベルである。1980年代、フュージョン系メインストリーム・ジャズなる志向を追求したレーベル。エレクトリック中心のフュージョンのブームの後、メインストリーム・ジャズの要素をしっかり押さえたフュージョン系のジャズは、当時、結構、人気があった。そのElectric Birdレーベルのアルバムを一気聴きの最中である。
今日の選盤は、Lew Soloff『Yesterdays』(写真左)。1986年の作品。ちなみにパーソネルは、Lew Soloff (tp), Charnett Moffett (b), Elvin Jones (ds), Mike Stern (g)。ルー・ソロフのトランペット1管のバックのリズム・セクションは「ギター+ベース+ドラム」のピアノレス。
この1管+ピアノレスなカルテット編成については、フロントのソロフのトランペットが心ゆくまで堪能出来る。エルヴィンのドラミングはダイナミックなポリリズム。ピアノがいると、ピアノのリズムキープとバッティングすることが多い。するとリズムが増幅されて、フロントの管の音が目立たなくなってしまう。今回の「ピアノレス」はそれを未然に防止する。
この盤は、ルー・ソロフのトランペットの個性がとても良く判る、ソロフのトランペットの個性を愛でる盤である。ハイノート・ヒッター、かつ流麗でメロディアス。加えて、ダイナミックでテクニカル。聴き応えのある、素晴らしい内容のトランペットである。惚れ惚れする。
さすが、1968〜73年の間、ブラス・ロックを代表するスーパー・バンド「ブラッド・スウェット&ティアーズ」の一員として、はたまた、ギル・エヴァンスのオーケストラに、ギルが亡くなる1988年まで参加し活躍しただけはある、実力あるトランペッターの優れたパフォーマンスがこの盤に記録されている。
このルー・ソロフ、あまりに上手過ぎる、という理由で日本では人気がイマイチだった。日本のジャズ者として実に残念であり、ばかばかしくもある。この盤のソロフのプレイを聴いて欲しい。当時、人気がイマイチだったことが信じられない。それほど、溌剌としてブリリアントなソロフのプレイがこの盤には記録されている。お勧めの好盤です。
東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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