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2017年10月30日 (月曜日)

5000番台も聴き所満載である

ブルーノート・レーベルは「ジャズの老舗レーベル」と呼ばれる。確かに、ブルーノート・レーベルは、ジャズのあらゆる演奏スタイルや、後の一流ジャズメンの若き時代の演奏をしっかり残していて、ブルーノート・レーベルのアルバムを聴き通すだけで、ジャズの歴史の全てが判る、とまで言われる。

例えば、このアルバムなどもブルーノートならでは、の盤である。『Howard McGhee's All Stars - The McGhee-Navarro Sextet』(写真左)。BLP 5012番。1950年1月23日の録音。特に、前半分『Howard McGhee's All Stars』の部分がブルーノートならでは、である。

何故って、ハワード・マギーって、オクラホマ州タルサ生まれ、デトロイト育ち。ディジー・ガレスピー, ファッツ・ナヴァロ、アイドリース・シュリーマンなどと並んでビ・バップの最初のトランペット奏者の一人。しかし、1950年代は麻薬中毒で没落した為、ビ・バップ時代、若き優秀なトランペッターとしての音源は少ない。

つまり、ハワード・マギーのトランペットの素晴らしさを感じることの出来る音源は稀少。稀少と言われる中、このブルノート盤は、ハワード・マギーの、テクニック優秀、溌剌としたトランペットをしっかりと捉えているのだ。こういうところが、ブルーノートの優れたで、さすが、総帥のアルフレッド・ライオンの慧眼恐るべしである。
 

Howard_mcghees_all_stars_the_mcghee  

 
よくこんな音源をLPでリリースしたものだと感心する。ちなみにパーソネルは、Howard McGhee (tp), Jay Jay Johnson (tb),  Brew Moore (ts), Kenny Drew (p), Curly Russell (b), Max Roach (ds) 。やはり、まずは、マギーの溌剌とした、高テクニックのビ・バップなトランペットが清々しい。良く鳴るトランペットだ。

そして、バックのリズム・セクションの中でキラリと光るフレーズを紡ぎ出しているのが、若き日のケニー・ドリュー。この盤でのドリューのピアノはもはや「ビ・バップ」なピアノでは無い。そこはかとなく黒いファンクネスを漂わせつつ、タッチのハッキリとした、内省的で思索的なアドリブ・フレーズを展開する。これがまた「良い」。

伝説化したハワード・マギーの稀少音源といい、若かりし頃のドリューの黒いファンキーなピアノといい、ブルーノートは、しっかりと当時のジャズの美味しいところを押さえている。1950年の録音ながら、音もまずまずで、ビ・バップ期からハードバップ期へ移行する時期の「ビ・バップのハード・バップ化」の過程を捉えた盤として、この盤は価値がある。

さすがはブルーノート・レーベル、目の付け所が違う。1500番台や4000番台のカタログばかりが、もてはやされがちではあるが、このブルーノートの5000番台のアルバムも隅に置けない。聴き進めて行くと、この5000番台は5000番台で聴き所満載である。ブルーノート、恐るべしである。

 
 

東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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