バード&アダムスの傑作ライブ盤
ジャズと言えば、やはり「ハードバップ・ジャズ」が鉄板だと思う。ジャズの様々なフォーマットや奏法、例えば「ビ・バップ」とか「モード・ジャズ」とか「クロスオーバー」とか「フュージョン」とか、魅惑的なジャズのフォーマットや奏法があるが、一般の人達が「ジャズ」を想起するのは、やはり「ハードバップ・ジャズ」だと思う。
Doneld Byrd『At the Half Note Cafe, Vol.1 & 2』(写真)。November 11, 1960年11月11日、NYのライブハウス「Half Note」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Pepper Adams (bs), Duke Pearson (p), Laymon Jackson (b), Lex Humphries (ds)。ドナルド・バードのトランペットとペッパー・アダムスのバリサクの2管フロントのクインテット構成。
2管フロントのクインテット構成って、ハードバップ・ジャズの王道な構成だと思うのだが、2管のひとつにバリトン・サックスが入っているところがこのクインテットのお洒落なところである。ブリブリブリとバリサクが魅力的なアドリブ・フレーズを撒き散らす。そこに、トランペットの輝かしいブラスの響きが割って入る。素晴らしい対比、素晴らしいユニゾン&ハーモニー。
この2枚に分散されたライブ盤、その演奏の迫力、流麗さ、楽しさ、どれをとっても「これぞ、ハードバップ」な演奏である。冒頭のピアソン作の「My Girl Shirl」から、楽しい楽しいハードバップな演奏がてんこ盛り。漂う芳しきファンクネス、愁いを帯びたマイナーなアドリブ・ライン。聴いていると「ああ〜、ええ感じのジャズやな〜」なんてウットリしつつ、夢見心地。
しかしまあ、このライブ盤でのドナルド・バードは凄く溌剌としていてブリリアント。こんなにバリバリ吹きまくるドナルド・バードって珍しいのではないか。このライブ盤のブロウを聴けば、なるほど、ハードバップ時代の第一線を走るトランペッターだったことが良く判る。加えて、やはり、ペッパー・アダムスのバリサクが魅力的。この重低音を響かせながら、疾走感あふれるソロは爽快である。
ちなみに、このライブでの司会は「ルース・ライオン」。ブルーノートの総帥アルフレッド・ライオンの細君である。このルースの司会の声、そのアナウンスに呼応する聴衆の歓声。そして、滑り出るようにハードバップないきなりブワーッと展開する。うへ〜、思いっきりジャズである。この2枚のライブ盤を聴く度に思う。ハードバップってええなあ、って。
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