改めてグリフィンの初リーダー盤
ジャズメンの個性は「初リーダー盤」で露わになる。ロックなどはファースト盤より、熟れて慣れて、本来の実力が遺憾なく発揮できるセカンド盤に個性が露わになることが多い。しかし、ジャズは絶対に初リーダー盤である。それまでにサイドメンで様々なセッションに参加しているし、基本的に個性が確立されていることが殆ど。
そんな初リーダー盤を聴くのは楽しい。今日は、ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)の初リーダー盤を久し振りに選択。グリフィンのサックスは、力強くて音が大きくハッキリして、こぶしが効いた節回し、そして、大らかな歌心、そして、早弾きさせたら、それはもう超絶技巧。果たして、この彼の個性が「初リーダー盤」で露わになっているのか。改めて聴き込む。
Johnny Griffin『JG』(写真左)。1956年、地元シカゴでの録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Wilbur Ware (b), Buddy Smith (ds), Junior Mance (p)。ウエアのベース、スミスのドラム、マンスのピアノというなかなか渋いリズム・セクションを従えての「初リーダー盤」である。
聴いてみて、いや〜と感心することしきり。やはり、この「初リーダー盤」には、グリフィンの個性がてんこ盛り。初リーダー盤なので、ちょっと抑え気味に吹いてはいるんだが、グリフィンの個性はハッキリと出ている。力強くて音が大きくハッキリして、こぶしが効いた節回し、そして、大らかな歌心、そして超絶技巧。これだけ、個性がはっきり出ている初リーダー盤、嬉しくなってくる。
そして、ジョニー・グリフィン愛すべし、と想うのは、この初リーダー盤で、グリフィンは実に神妙にブロウしているのだ。初リーダー盤での喜びと不安。そんな人間っぽいグリフィンが、はしゃぐこと無く、しっかりと神妙にグリフィン独特のテナーを吹き上げている。これが良い。実に可愛いグリフィンである。その雰囲気が何か判るんですよね〜。
そうそう、このグリフィンの初リーダー盤、ジャケットが面白い。真ん中でパカッと分かれて、中身のレコードが取り出せるもの。ジャズのジャケットでは珍しい(ロックではよくあるんだけど)。ギミックばかりで無く、デザインも優秀。そして、詰まっている音も良い感じ。グリフィンの初リーダー盤、なかなかの聴きものです。
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