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2017年9月13日 (水曜日)

ながら聴きのジャズも良い・26

真夏のあの「思い切り蒸し暑い」日はもう無い。今日も日中は30度くらいにはなったのだろうが、夕方、本業を終えて、本社ビルを出る頃には、東京は新宿も涼しい風が吹き抜けている。夜、家に帰り着いても、エアコンが恋しく無くなった。自然の風が吹き抜ける部屋で夕飯をいただく、このささやかな幸福感。9月の良い季節。

こういう涼しい宵には、軽快なフュージョン・ジャズで、ながら聴きしながら、本を読んだり、パソコンしたりが良い。耳当たりの良い、あんまり耽美的では無い、リズミカルで軽快、印象的な聴き心地の良いフレーズを伴ったフュージョン盤が良い。これがまあ、意外と沢山あるから、フュージョン・ジャズはやめられない(笑)。

Chet Atkins『Stay Tuned』(写真左)。1985年のリリース。ちょっと変わり種のフュージョン・ギター盤。そもそも、リーダーのChet Atkins=チェット・アトキンス自体がフュージョン・ジャズに似合わない。1924年生まれだから、存命していれば93歳。相当に昔の大レジェンドである。惜しくも2001年、77歳で鬼籍に入っている。

基本はカントリー・ギター。エルヴィス・プレスリーのバックでリズム・ギターを務めたりで、ロックンロールにも手を染め、ビートルズのジョージ・ハリソンのアイドル・ギタリストとしても知られる。各界のギタリストの共通のアイドルであり、ギターの神様的存在。あの現在、ギターの神様と呼ばれるジェフ・ベックが憧れたギタリストの一人なのだ。
 

Stay_tuned

 
ジャズ畑のギタリストでは無いんですよね。しかし、カントリーからロックンロールと適応力に優れたアトキンスが、フュージョン・ジャズに手を染めてリリースした名盤がこの『Stay Tuned』なんです。僕はこの盤をジャズ喫茶で聴かされた時、このカントリー・フレイバー満載の、爽快にスイングし、唄う様にアドリブを展開するギタリストが誰かさっぱり判りませんでした。

チェット・アトキンスですよ、とギタリストの名を明かされた時、にわかに信じられませんでした。チェット・アトキンスがフュージョンをやってたの? 驚きでした。でも、この盤、素晴らしく爽快。カントリー調、フォーク調と米国ルーツな音楽ジャンルの音がメイン、時に当時流行だったカリビアンなフレーズが滑り込んできたりする。

当時はフュージョン・ジャズのブーム末期。この盤、明らかにフュージョン・ジャズ盤です。楽曲毎にチェットとゲスト・ミュージシャンと共演といった企画盤で、ゲストの名前を並べてみたら、出てくる出てくる有名どころ。ベンソン、カールトン、クルー、ノップラー、ルカサーなどなど。ドラムには、ポーカロなんかも叩いていて、さしずめフュージョン・ジャズ・オールスターズといった風情。

そんな中、アトキンス御大は、全くひるむことなく弾きまくる弾きまくる。もう徹頭徹尾、爽快感満載です。初めて聴いた時、誰かに似ている、誰かに似ている、と思ってイライラしましたが、それもそのはず、今のレジェンド級のギタリスト、今の中堅ギタリストのお手本の様なギターなんですよね。似ているのでは無く、このアトキンスがギターが「元祖」でした。脱帽です。

 
 

東日本大震災から6年6ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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