ジャズ喫茶で流したい・113
ジャズを聴き始めてから、かれこれ40年になる。もうそんなになるのか。所有するCDも相当数に登り、もうデータベースにしておかないと所有しているのかいないのか、聴いたことがあるのか無いのか、判らなくなっている。それでも、ジャズは飽きない。飽きないどころか、どんどん深みにはまっていっている。
そんなジャズ大好き人間の僕が、この盤は聴いたことも見たことも無かった。つい先日、ネットを徘徊していて、誰かのブログにぶち当たって、見慣れないジャケット写真が目に入って、その紹介文を読んでみたら「え〜、この盤、知らんなあ」。しかし、である。この盤のジャケットの写真、これが凄く魅力的。「良い音出してるよ〜」って語りかけてくる様なジャケット。「ジャズ喫茶で流したい」ネタな盤である。
Count Basie and Dizzy Gillespie『The Gifted Ones』(写真)。1977年の録音。ちなみにパーソネルは、Count Basie (p), Dizzy Gillespie (tp), Joe Pass (g), Ray Brown (b), Mickey Roker (ds)。ガレスピーのトランペットのフロント1管。ギター+ピアノ、そしてベース+ドラムのリズム・セクション。
いや〜、むっちゃ趣味の良いハードバップ。まず、カウント・ベイシーのピアノが絶品。音数少なく、ポロンポロンと絶妙の間とテンポの無茶苦茶に個性的なピアノ。シンプルそして侘び寂び。そんなむっちゃ粋な静かなピアノ。そこにガレスピーのバップなトランペットが鳴り響く。トランペットの音にベイシーのピアノはかき消されるのか、と思いきや、その存在感たるや驚きの「静謐なピアノ」である。
ガレスピーのトランペットも凄く良い。エモーショナルなブロウもあれば、流麗で語りかける様な優しいブロウもある。あのビ・バップなトランペット一辺倒のガレスピーが、これだけ変幻自在、硬軟自在なブログを繰り広げるとは思わなかった。メリハリ効いたガレスピーのトランペットと音数少なく、ポロンポロンと絶妙の間とテンポのベイシーのピアノ。素晴らしい対比。
パスのギター、ブラウンのベース、ロッカーのドラム、職人気質のリズム・セクションが、そんな主役の二人、ガレスピーとベイシーをしっかりとサポートする。いや〜、これぞジャズって感じの演奏に思わず聴き惚れる。しかし、こんな盤があったなんて。パブロ・レーベルからのリリースなのでメジャーな盤の類。日本で何故ジャズ雑誌なので、絶賛&紹介されなかったのか、が不思議な、思い切り充実の内容。好盤です。
東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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