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2017年9月30日 (土曜日)

高校時代の10cc盤の思い出

もう今から40年以上にもなるのか〜、と感慨に耽る時がある。特に、この夏から秋の季節。高校時代には様々な印象的な思い出がギッシリ詰まっている。少し涼しい風が吹き始める晩夏の夕暮れから、この涼しい空気に入れ替わる初秋のちょっと物寂しい雰囲気は、時に心をセンチメンタルにさせる。

僕がロックを聴き始めたのは高校1年生の夏。それまでは米国と英国のポップスがメイン。ロックはシングル曲を聴く程度でアルバムを聴き込む様なことは全く考えもしなかった。が、である。高校1年生の夏、映画を制作すべく、先輩達によって企てられた映画研究部の夏合宿の夜。僕は生まれて初めてロックのアルバムを聴かせて貰った。これが「はまった」。それから、ロック小僧一直線である。

ロックのアルバムについては、先代部長Nさんに色々教えて貰った。Nさんとは音に対する感覚が良く似ていて、Nさんの面白い、とするアルバムはどれもが気に入った。他の先輩、同期の部員連中が「これはちょっとなあ」というアルバムについても、Nさんと二人で良く聴かせて貰った。当時、映研の部室には近くの電気屋で譲ってもらったボロいステレオがあった。これでガンガン聴くのである。

10cc『The Original Soundtrack』(写真左)。1975年の作品。このアルバムもN先輩が映研に持ち込んだ。当時、N先輩は高校3年生、受験勉強真っ只中な筈なんだが、気分転換と言いながら、良く映研の部室に遊びに来ていた。そして、入手したアルバムをカセットにダビングして、聴かせてくれるのだ。これがすごく楽しみだった。この盤は1975年の7月の始めだったかと記憶している。

この『The Original Soundtrack』は、ロック・オペラ「パリの一夜」で始まるコンセプト・アルバム。「架空の映画のサウンドトラック」という10ccらしい風変わりな設定で制作されている。僕はこのアルバムで初めて「カンタベリー系プログレの雰囲気」を体験した。意外と日本人の感覚では受け入れられ難い面があるのだが、N先輩と僕は、一時、ドップリはまった。
 

The_original_soundtrack

 
冒頭、8分40秒の大作「パリの一夜 - Une Nuit a Paris' 」の戯曲風のパフォーマンスが、どうにも他の先輩、同期の部員連中には合わない。Mu先輩などは「よ〜判らん」と部室から出て行き、同期のロック女子は「なにこれ〜」と顔を曇らせて帰っていった。しかし、である。

まず、10ccとして、この戯曲風のロック・パフォーマンスが秀逸であり面白い。N先輩とは「ここが面白い」とか「これどうやって音出してるんや」なんて、ワイワイ盛り上がりながら聴いていた。サウンドエフェクトも素晴らしく「10ccの英国職人気質、ここに極まれり」と言った雰囲気にも感銘を受けた。

そして、である。この戯曲風のロック・パフォーマンスから、2曲目のスローテンポな情緒溢れる名曲「I'm Not in Love」にガラッと音世界の雰囲気が変化するところが絶品なのだ。加えて、この「I'm Not in Love」の曲自体が素晴らしい。ロックがこれだけ情緒的な音世界を表現出来るとは思わなかった。初めて聴かされた時は、暫く絶句して口がきけなかった。

10cc『The Original Soundtrack』は、映研の先代部長N先輩の思い出が詰まっている。初めて聴いた時、僕があまりに感激していたので、N先輩がダビングして持ち込んだカセットをそのままプレゼントして貰った。

家に帰って、徹夜して繰り返し聴いたのを覚えている。やはり1曲目「パリの一夜」から「アイム・ノット・イン・ラヴ」へ、音世界がガラッと変化するところは、未だにスリリングで、ゾクッとする瞬間。永遠の好盤である。

 
 

東日本大震災から6年6ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント


高校時代、レコードを裸で小脇に抱えて通学してくる仲間のMクンが
いつものようにマイナ~なジャケで登校してきた。またシンリジイかよとバカにしつつ借りて聴いたら3学期まで返せなかった。
2曲めは奇跡的な名曲で、クイーンがボヘミアンラプソディーで手法をパクったほど?の凄技ですが、名作を観たあとに映画館を出るような「我が愛のフィルム」もお気に入りです。

はじめまして、ショッポさん。松和のマスターです。
 
高校時代のLPにまつわる思い出。思わず、懐かしの情景として、
似たような風景が広がりますね。
 
> レコードを裸で小脇に抱えて通学してくる
僕達の時代は、まだ気恥ずかしくて、レコードを裸で小脇に抱える
ことは出来なくて、レコード屋の袋に入れて持ち運びしてました。
このレコード屋の袋が肝心で、デザインの良い、ロックやジャズ
など、洋楽中心の専門店のものが必須アイテムでした(笑)。

ロック女子? ん??
I'm no in love は大好きですよぉ〜o(^▽^)o
N先輩、やっぱ素敵やった…
秋にセンチメンタルになるのは、文化祭があったからやろうね。あたしもめっちゃ懐かしくなる〜

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