« Miles Reimaginedな好盤・2 | トップページ | フュージョン・ジャズも奥が深い »

2017年8月24日 (木曜日)

現在のジャズの「深化」を感じる

ジャズって確実に「深化」しているなあ、って感じることが多い。1950年代から1960年代、ハードバップからモード・ジャズとメインストリーム・ジャズは変遷していったが、このハードバップにしても、モード・ジャズにしても、21世紀の現在でも演奏されるジャズ・フォーマットである。

といって、1950年代から1960年代の演奏をそのまま「なぞっている」のでは無い。演奏のレベルは高くなっているし、演奏の展開にも様々な工夫が聴かれる。演奏の響きも明らかに純度が高くなっているし、アレンジの工夫も難度が高いが、とても考えられた音作りがなされている。つまり、ジャズは「深化」しているのだ。

Jack DeJohnette, Larry Grenadier, John Medeski & John Scofield『Hudson』(写真左)。今月の新盤なのだが、僕はこの新盤を聴いて、その「ジャズの深化」を強く感じた。参加メンバーが並列の関係で構成されたテンポラリー・バンドなので、パーソネルに連なる4人の名前がズラリと並ぶ。改めて、パーソネルは、Jack DeJohnette (ds), Larry Grenadier (b), John Medeski (key), John Scofield (g)。
 

Hudson

 
デジョネットは1942年生まれなので、今年で75歳。ジョンスコは1951年生まれなので、今年で66歳。グレナディアは1966年生まれなので、今年で51歳。メデスキは1965年生まれなので、今年で52歳。大レジェンドのデジョネット、中レジェンドのジョンスコ、そして、中堅ベテランの2人がガッチリ組んだ、明らかに硬派な「コンテンポラリーな純ジャズ」である。

とりわけ、ジョンスコが凄い。弾きまくっている。デジョネットが心なしか、大人しいというか落ち着いたドラミングで終始している分、ジョンスコの弾け方が印象深い。メデスキのプログレッシブなオルガンも効いている。グレナディアが全体のビートをガッチリと押さえている。聴き始めると知らない間に一気に聴き切ってしまうほどの充実度。

Bob Dylan「Lay Lady Lay」「A Hard Rain's A-Gonna Fall」、The Band「Up on Cripple Creek」、Jimi Hendrix「Wait Until Tomorrow」、Joni Mitchell「Woodstock」のカバーが目を惹く。70年代ロック者からすると感動のカバー。出来も良い。他のメンバーの自作曲もなかなか。現在のジャズの「深化」がガッツリと感じられる好盤である。

 
 

東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

« Miles Reimaginedな好盤・2 | トップページ | フュージョン・ジャズも奥が深い »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 現在のジャズの「深化」を感じる:

« Miles Reimaginedな好盤・2 | トップページ | フュージョン・ジャズも奥が深い »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー