ジャズ・バイオリンの秀逸ライブ
ジャズ・バイオリンは稀少である。それなりの音を出すバイオリンとなるとちょっと高価なものになるし、バイオリンを弾きこなそうするなら、それなりにしっかりとした先生につく必要があるし、さすがにバイオリンは教えて貰わないと弾きこなせない。加えて、エモーショナルな表現やスピリチュアルな表現に向かないところがあって、そんなこんなでバイオリンはジャズの世界では稀少価値な存在である。
そんな稀少な存在なジャズ・バイオリンの第一人者が、ステファン・グラッペリ。1908年1月生まれ、1997年12月に逝去。享年89歳。ジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトの相方としても知られる。ジャズ・バイオリンの第一人者であるが、クラシックの世界でも評価は高い。そういうことから、グラッペリのバイオリンにおけるテクニックは相当に高いものがあったと確信している。
そんなグラッペリのジャズ・バイオリンについては、ジャズ者初心者の頃から、時ある毎に振れることが多く、意外と早くから、僕はグラッペリのジャズ・バイオリンに聴き親しんでいた。グラッペリのジャズ・バイオリンは、音にバイオリン独特の嫌味が希薄で、ストレートで美しい。ピッチはばっちり合っていて、躍動感も芳しい。
Stéphane Grappelli『Live In San Francisco』(写真)。1982年7月7日、サンフランシスコは「The Great American Music Hall」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Stephane Grappelli (vln), Diz Disley (g), Martin Taylor (g), Jack Sewing (b) などなど。知らない顔ばかりですが、このライブ盤を聴く限り、なかなかのテクニックを持った強者揃いと感じます。
このライブ盤、選曲が良いですね〜。ジャズ・スタンダードの有名どころ、なかなか粋な選曲です。この有名どころのジャズ・スタンダード曲をベースにジャズ・バイオリンしてくれるので、グラッペリのジャズ・バイオリンの個性がとっても良く判る。バイオリンでジャズをするという特徴も、ジャズにおけるバイオリンの効果についても良く判る。
聴いて楽しいジャズ・バイオリン。ステファン・グラッペリはその第一人者。そのグラッペリのバイオリンでジャズ・スタンダード曲を聴く。テーマの旋律を弾き進めるバイオリンの音は端正で凛としていてストレート。旋律の良さが際立ち、アドリブに入ると、バイオリン独特の躍動感に「バップ感」が増幅される。そして、聴いて楽しいアレンジと相まって、とても楽しいライブ盤に仕上がっています。お勧め。
東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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