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2017年8月22日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・58

ジャズの世界は、何もビッグネームなレジェンド級のジャズメンだけが優れている訳では無い。たまたま、ビッグネームになる機会に恵まれなかった「玄人好み」のジャズメンも沢山いる。演奏するジャズは、レジェンド級にひけを取らない「優れもの」。そんな「玄人好み」のジャズ盤との出会いは格別なものがある。

Stanley Cowell『No Illusions』(写真左)。今年の新盤。最近の「玄人好み」のジャズ盤との出会いはこの盤である。録音は2015年12月。ちなみにパーソネルは、Stanley Cowell (p), Bruce Williams (as, fl), Jay Anderson (b), Billy Drummond (ds)。純ジャズの老舗レーベルであるSteepleChaseからのリリース。ジャケットも洒落ていて、内容に期待が持てる。

リーダーのピアニスト、スタンリー・カウエルのSteepleChaseでの15枚目のリーダー作となるとのこと。もうカウエルって、SteepleChaseのハウス・ピアニスト的存在やね。さて、この盤、コンテンポラリーな純ジャズな演奏がギッシリ詰まった、実に「硬派な」カルテット盤である。

ブルース・ウィリアムスのアルト・サックスとフルートが良い。スピリチュアルな雰囲気をガッツリと醸し出す優れたブロウ。カウエルの端正かつ「ちょっと危ない」ピアノと、このウィリアムスのアルトが聴きものである。
 

Stanley_cowell_no_illusions

 
スタンリー・カウエルは1941年生まれ。今年で76歳になる。クラシックばりの端正でカッチリしたピアノではあるが、ちょっとアヴァンギャルドな危険な香りのする、ちょっと「危ない」ピアニストである。1999年には、ヴィーナス・レコードの『恋のダンサー』で、魂を売ってしまったような、イージーな企画に寄り道したりもしたが、この新盤では、しっかりと硬派な純ジャズに返り咲いている。

この盤では、硬派でモーダルな純ジャズをベースにはしているが、そこかしこに、スピリチュアルな要素や、米国ルーツ・ミュージックな要素、ネイティヴ・アフリカンな要素などを織り込んでいて、昔のモーダルな純ジャズとはちょっと異なった響き、現代ジャズの先端のトレンディーな響きが芳しい。現在のジャズの「ええ感じ」な響きが良い。

決してポップでは無いし、決してコマーシャルでは無い。ジャズ界のビッグネームでも無ければ、レジェンドでも無い。それでも、この盤には「玄人好み」の心地良い、コンテンポラリーな純ジャズな演奏がギッシリ詰まっている。現在のジャズの「ええところ」を聴かせてくれる好盤である。

こういう「玄人好み」のジャズ盤は、昼下がりのジャズ喫茶の、人が引けた、閑散とした感じの静かな室内で、誰に聴かすでも無く、ゆったりと流しているのが良い。ちょっともの淋しい雰囲気を醸し出しながら、現在のジャズの「ええ感じ」な響き。好盤です。

 
 

東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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