ジャズ喫茶で流したい・110
欧州の国々を旅行すると良く判るんだが、どの国にもジャズがある。その国独特のジャズが存在していて、ジャズのライブ・スポットもあるし、レストランなんかで、BGMでジャズが流れていたりする。もともと米国発祥のジャズが、この大西洋を渡った欧州で脈々とその歴史を継いでいるのだ。
今日は「フレンチ・ジャズ」。芸術の都「パリ」が控えるフランス。新しいアートについては、敏感に反応し、良いものについては、臆すること無く、積極的に取り込む。諸手を挙げて評価する。そんなフランスである。1940年代のビ・バップから1950年代のハードバップに敏感に反応し、米国から渡り住んできた、多くのジャズメンを暖かく迎えた。そんなフランスのジャズである。
Georges Arvanitas『Bird of Paradise』(写真左)。1988年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Georges Arvanitas (p), Jacky Samson (b), Charles Saundrais (ds)。ピアノ・トリオである。トリオのメンバーはオール・フランス。出てくる音は確かに「フランスやな〜」って感じの音だから、ジャズって面白い。
感性のピアノ・トリオである。決して、理詰めでは無い。感覚最優先の力強いネオ・ハードバップな音作り。アレンジは最低限に留め、三者対等のインプロビゼーションを感性のおもむくまま、ちょっとラフなアンサンブルとアドリブ展開。ゆるゆるだけど決めるところはバシッと決める。品良く跳ねるようなオフビートを感じて、僕はこのトリオ演奏を「シャンパン・トリオ」と呼ぶ(笑)。
全16曲が収録されているが、6曲がアルヴァニタスのピアノ・ソロ。このソロがこれまた味わい深い。米国でもなければ、欧州の他の国のジャズ・ピアノの雰囲気とも全く違う雰囲気の、このフランス独特の(と言って良いだろう)ジャズ・ピアノの響きとフレーズ。力強いがどこかラフな雰囲気が漂いつつ、感性のおもむくまま、決めるところは決める。
ジョルジュ・アルヴァニタス (Georges Arvanitas)は、1931年6月生まれ。惜しくも2005年9月に逝去。享年74歳。フランスはマルセイユ生まれのジャズ・ピアノ奏者である。当初はクラシックのピアニストとして訓練を受けただけある、確かなテクニックに裏打ちされたバップなピアノは実に魅力的。もっともっと彼のピアノが聴きたい。そんな気持ちで一杯になりました。
東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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