ジャズ喫茶で流したい・109
昨日の夕方から空気が入れ替わったのか、夜の間に降った雨が湿気をしっかり残して、朝から思いっきり蒸し暑い千葉県北西部地方。これだけ蒸し暑いと身体に堪える。というか、今の身体は以前の様な耐性が無く、気温の変化や湿度の高さについては「かなり辛い」。ちょっと伏せりながら、気を紛らしたくてジャズを聴いたりしている。
Dave Brubeck Quartet『Paper Moon』(写真左)。1981年9月の録音。ちなみにパーソナルは、Dave Brubeck (p), Jerry Bergonzi (ts), Chris Brubeck (b), Randy Jones (ds)。ディブ・ブルーベック・カルテットというと、アルトのポール・デスモンドが定番なんだが、ここでは、テナーにジェリー・バーガンジを迎えたカルテットで吹き込んだアルバムになる。
アルトのデスモンドは、柔らかで優しい音色の流麗なフレーズが個性のアルトなので、ブルーベックのスクエアに跳ねるようにカクカクとスイングするピアノとの対比が独特で素敵な雰囲気を醸し出していた。が、ここでのテナーのバーガンジはコルトレーン・スタイル(フリー・ジャズに走る前の)のテナーで、硬派で実直なフレーズが特徴。これって、ブルーベックのピアノにあうんかいな、とちょっと不安になる。
冒頭の「Music, Maestro, Please!」を聴けば、そんな不安は杞憂だったことが判る。コルトレーン・スタイルの硬派で実直なテナーが、ブルーベックのスクエアに跳ねるようにカクカクとスイングするピアノに違和感無く、スッポリと収まる。デスモンドのアルトとは「正反対の対比の妙」だったが、バーガンジのテナーとは「融合と協調の妙」である。雰囲気の似通ったピアノとテナーの競演が見事である。
こうやって聴いていると、我が国でのブルーベックに対する酷評、スイングしないピアニストだとか、そもそもジャズ・ピアノじゃない、とか結構酷いこと言われてるんだけど、それらが如何に「お門違い」の評価なのかが良く判る。ブルーベックは伴奏上手だし、ブルーベックのピアノは、彼独特のスイング感があって、やはり素敵だ。スクエアに跳ねるようにカクカクするスイング感。
この盤、選曲がふるっていて、なかなか小粋なスタンダード曲が選曲されていて、これが実に良い。ブルーベックについては、何時の時代にも言えることなんだが、アレンジがとても良好。コンコード・レーベルからのリリースで、独特の録音の雰囲気とも相まって、このカルテットの醸し出す心地良いテンションと共に、聴き応えのあるスタンダード集になっています。好盤です。
東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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