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2017年7月19日 (水曜日)

The New Miles Davis Quintet

Prestigeレーベルの7000番台を順番に聴き直していると、いろいろ面白い事に気がついたり、新しい発見があったりで、とにかく楽しい。とにかく手当たり次第、リハーサルも無しの一発録り。録音時期という統一感を無視した、感覚だけのアルバム編集が、他のレーベルに比べて多く、「やっつけのプレスティッジ」と僕は呼んでいる。

しかし手当たり次第、一発録りでガンガン録音して、適当に編集して適当なジャケットでどんどんリリースするので、アルバムの数としてもまとまったボリュームがある。リハーサル無しの一発録りがほとんどなので、アルバムの出来は玉石混交としている。しかしながら、音源が豊富な故に、その時代の演奏のトレンドやジャズメン毎の個性が意外と良く判って面白い。

例えば『The New Miles Davis Quintet』(写真)。PRLP7014番。Prestigeレーベル初期のシリーズ。1955年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。タイトル通り、マイルス・デイヴィスの新しいクインテットの旗揚げ盤である。

この盤単体で聴くと良く判らないんだが、他の同時期、1950年代前半から中盤にかけて録音されたアルバムと聴き比べると、このマイルスのクインテットの演奏が、如何に新しい雰囲気を醸し出していたかが良く判る。アレンジも新しい、イントロの入り方も新しい。アドリブの展開の仕方も新しい。今の耳で聴いても新しいと感じるのだ。リリース当時は逆に違和感を感じた評論家も多かったのではないか、と推察する。
 

The_new_miles_davis_quintet

 
この盤でのコルトレーンは評論家筋から「いもテナー」とバッサリ切り捨てられているのだが、新しい雰囲気、新しい音色、新しいアプローチは十分に感じることが出来る。テクニック的には確かにイマイチなんだが、それまでにない、新しい雰囲気が十分に漂っている。これも今の耳から振り返るから、その「新しい雰囲気」が判るのだが、リリース当時は判らなかっただろうなあ。

ピアノのガーランドは明らかに「発展途上」。まだ、マイルスの薫陶を受けたスタイルに確信を持てていない。しかし、ベースのポール・チェンバースとドラムのフィリー・ジョーは既に「出来上がっている」。完成されたベースとドラム。素晴らしい演奏が繰り広げられている。後はテナーの正調とピアノの確信を待つのみ、のマイルス・クインテットである。

マイルスは、といえば、そりゃ〜勿論、素晴らしいに決まってるでしょう。ただ、このアルバムでは、自らの新しいクインテットへの教育と鍛錬に注力している様で、マイルスのプレイに「新しさ」は無い。しかし、若い溌剌として「成熟」は十分に感じられて、さすがマイルス、と感心してしまう。

しかしなあ、ジャケットがなあ。これは全く以てPrestigeレーベルの仕業である。なんて酷いジャケットなんだ。色は緑と青の2色ある。緑の方がオリジナルだそう。しかし、どうしてこんな酷いデザインになるんだ。タイポグラフィーも劣悪。まあ、Prestigeレーベルは、ジャケット・デザインなんて興味の範疇外だからなあ。しかし、この盤のマイルス・クインテット、聴いていると意外な発見があって意外と面白い。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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