ビッグバンド・ジャズは楽し・42
今を去ること40年前、本格的にジャズを聴き始めてから今に至るまで、ビッグバンドの基本と評される2大ビッグバンド、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団の演奏に馴染めなくて困っている。どうにもこうにも、音の響き、音の重ね方が古い感じがして、勉強の為に聴き込むことはするが、楽しんで聴くことは、2〜3枚の例外を除いてあまり無い。
恐らく、ビッグバンドの何たるかを僕は理解していないんだろうな、と劣等感を覚えたこともあるが、今では完全に開き直って、好きなものは好きだし、苦手なものは苦手、趣味でジャズを聴いているのだから、苦手なものを我慢して聴くことは無い、と思うことにしている。但し、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団はビッグバンドの基本中の基本である、ということは頭では理解している。
では、ビッグバンドの音は嫌いか、と問われると否であって、ビッグバンドの音は大好きだ。ジャズ盤を聴き込む中で、ビッグバンドは、ある一定のスパンで必ず聴く。大体、聴くことの多いビッグバンドは、ノリの良いアレンジが新しい雰囲気のものやソロイストの自由度の高いもの、演奏の切れ味の良いもの、疾走感、爽快感を感じられるもの、大体がマニアックな存在のアルバムを好んで聴く傾向にある。
Oliver Nelson Big band『Live from Los Angeles』(写真左)。1967年6月の録音。テナー奏者&アレンジャーのオリバー・ネルソン(写真右)が率いるビッグバンドのライブ演奏である。パーソネルを見渡すと、米国西海岸ジャズの中堅どころを中心に選んだ、メインストリーム・ジャズがメインのビッグバンドである。
リーダーがオリバー・ネルソンであるが故、アレンジが当時として新しい雰囲気であることが感じ取れる。音の重ね方が特に新しく感じる。ソロイストのアドリブ・スペースも従来より自由度が高く、1967年の演奏ということもあって、1940年代から培われてきたビッグバンドのアレンジの集大成的な形式美を感じる。
ソロイストの自由度を従来のものより多めにとることで、バンド全体の演奏の躍動感が増していて、とってもノリの良いビッグバンド演奏になっている。ぐいぐいスイングし、切れ味抜群、爽快感抜群のとってもポジティブな演奏で、聴いていてとっても楽しい。そう、このビッグバンドの演奏はポジティブで楽しい。とっても現代的なビッグバンドのノリである。
東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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