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2017年6月26日 (月曜日)

音のクオリティは「ヤバい」

Jaco Pastorius『Truth, Liberty & Soul (Live in NYC: The Complete 1982 NPR Jazz Alive! Recording)』(写真左)。長いタイトルだ。1982年6月27日のニューヨーク、クール・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏14曲を全て収録。

もともとはNPRの放送音源で「Jazz Alive」という番組のために収録されたものとのこと。ブートで出回ったこともあるらしいが、エアチェック音源で音質が劣悪。しかし、今回の音源は違う。実はオリジナル音源は24チャンネル録音で思いっきりクオリティが高い。今回、このオリジナル音源を基にアルバム化されたのだ。とにかく音が抜群に良い。

演奏は「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドの演奏。基本的には既出の「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドの演奏と変わらない。高いクオリティ、高いテクニック、圧倒的なダイナミズム。他のアルバムと変わらない。というか、この「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドは、コンスタントに優れたパフォーマンスを維持していた、ということがよく判る。

が、昔からの「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドを聴き込んで来たファンからすると、この新作ライブ盤は嬉しいには嬉しいが、目新しさに乏しいのは否めない。音は良いのだが、魅力的な収録曲や優れたパフォーマンスは、既出のアルバムと変わらないからなあ。
 

Truth_liberty_soul

 
従来より「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドの突出した個性と優れたパフォーマンスを体感するに最適なライブ盤は、Jaco Pastorius『Invitation』(写真右)が定番である。

1982年9月、「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドの来日コンサートを収録したライブ盤で、元々は日本国内限定発売で『Twins I』と『Twins II』として2枚のライブ盤として発売されたが、世界発売向けに米国のワーナー・ブラザース・レコードが1枚のアルバムにまとめてコンピレーション化したアルバムである。

これがほんと、よくまとまっている。LP1枚分なので、演奏時間も長からず短からず。ちょうど良い塩梅で、「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドの突出した個性と優れたパフォーマンスをしっかりと体感することができる優れもの。「ワード・オブ・マウス」ビッグバンドを初体験するには、この『Invitation』をお勧めした。

といって、この新作『Truth, Liberty & Soul (Live in NYC: The Complete 1982 NPR Jazz Alive! Recording)』の内容が劣っているといっているのでは無い。この盤の音のクオリティは「ヤバい」。ジャコのエレベの音も生々しく、ダイナミズム溢れるもので、ジャコがエレベのイノベーターである所以を再認識できる。これはこれでやはり「買い」なのである。

 
 

東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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