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2017年6月29日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・83

我が国では「企画盤」の評価はイマイチ。「企画盤」というと「作られた感じ」が強くするのだろうか、即興を旨とするジャズの世界ではこの「作られた感」がどうにも駄目らしい。「企画盤」になると、人工的だとか商業主義だとか、あまり良い評価は得られない。ジャズについては「偶発的に発生する優れた即興」を最高のものとする習わしがあって、我が国では「企画盤」はうけない。

例えば、こういう企画盤も基本的に評価がイマイチ。というか、ピックアップすらしてくれない。アルバム紹介本についても、日本ではこのブラスバンドの名前が挙がることはないし、ましてやアルバムの名前が挙がることも無い。その「ブラスバンド」の名前とは「Supersax(スーパーサックス)」。

Supersax『Salt Peanuts』(写真左)。Med FloryとBuddy Clarkの2人が中心となり、ビ・バップの創始者の一人、アルトサックスの巨匠Charlie Parkerに捧げたブラスバンド「Supersax(スーパーサックス)」の1974年リリースのセカンド盤。スーパーサックスとは、Charlie Parkerの名演奏を、サックス・アンサンブルで再現しようとしたユニークな企画系のバンドである。
 

Salt_peanuts1

 
発想が素晴らしい。2アルト、2テナー、1バリトンの5人のサックス・セクションが、原曲のメロディだけでなく、パーカーのアドリブソロのラインまで、一糸乱れぬアンサンブルで再現するのだ。疾走感溢れ、心地良く複雑に捻れたチャーリー・パーカーのアドリブラインを忠実にサックス・アンサンブルで実現する。その迫力とパンチ力たるや、凄まじいものがある。

冒頭は、Charlie Parlerのビ・バップの名曲「Yard Bird Suite」を、重厚なサックス・アンサンブルで完璧にカバー。2曲目は、Dizzy Gillespie作の「Groovin' High」、そしてラストの「Salt Peanuts」等、ビ・バップの名曲を圧倒的な迫力で吹き上げていく。聴けば判るが、スーパーサックスのメンバーは全てテクニックが高い。実質的なリーダーはMed Floryですが、他のメンバーも全員リーダー盤を持っている実力者揃いです。

ジャケットを見れば、明らかに時代を感じるデザインではあるが、中身はなかなか硬派で、サックスの音色を愛でるに効果的な企画盤です。このサックス・アンサンブルの企画盤が我が国では、知る人ぞ知る、マニアな盤の位置付けに甘んじているのか理解に苦しみますが、どうして、聴けばスカッとする爽快感溢れる好盤です。

 
 

東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

スーパーサックスはパーカー嫌い?だった私にパーカーへの見方を変えてくれたグループでした。特に「ウィズストリング」(東芝)が目からウロコでした。(笑)

映画「バード」で見るパーカーは、監督のクリントイーストウッドの思い入れでパーカーのパート以外は当時のロンカーター他のリズムセクションが「後入れ」したことも話題でしたよね。

しかし、映画バードでは当時のNYの聴衆の熱狂は、後年のジミヘンドリクスへの熱狂と似たイメージを私は受けました。

レコード上でパーカーを楽しむことは、今でも私は苦手ですが、そんな時にはスーパーサックスのCDに自然と手が伸びますです。笑

こんばんは「おっちゃん」さん。お久しぶりです。
松和のマスターです。
 
私もSupersaxを聴いて、パーカーのアドリブ・フレーズの
美しさを体験したクチで、確かに『ウィズストリング』は
良いですね。
 
ホーン・セクションのアレンジが絶品で、いつ聴いても
楽しいスーパーサックスですね。
  

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