初夏の朝に「ダイアナの新盤」
初夏の朝には女性ボーカルが良く似合う。それも、昔のレジェンド級のオールド・スタイルな女性ボーカルでは無い、今風の爽やかでポップな「現代の女性ボーカル」が良い。と、8日のブログにも書いたような気がするが、今日は、その8日のブログでご紹介した、Diana Krall(ダイアナ・クラール)の今年の新作である。
Diana Krall『Turn Up the Quiet』(写真左)。リリースしたてホヤホヤ。約11年ぶり、祝ジャズ100年ともいえる内容の、待望のスタンダード作品。2015年の大ヒット・アルバム『ウォールフラワー』以来2年ぶりの新作になる。今回もダイアナがボーカルとピアノを担当して、Christian McBride (b), Russell Malone (g) とのトリオ編成でのパフォーマンスになる。
聴いて思うのだが、さすが、現代の女性ボーカリストの第一人者、ダイアナ・クラール、やっぱり上手いなあ。なかなかよく吟味されたジャズ・スタンダード曲を歌い上げるのだが、これがサラッと爽快、スッと気持ち良く伸びたボーカルで、ポップに素直に唄い上げる様は「絶品」である。
アレンジがなかなか良好で、ジャズ・ボーカルによくありがちな、ストリングスなどを入れた派手なアレンジでは全く無く、ストリングスなどを効果的に、隠し味的に配しながら、シンプルに、結果、ダイアナのボーカルが惹き立つような絶妙なアレンジ。一聴すると地味に感じるのだが、聴き進めるうちに、ジワジワ効いてくる様な粋なアレンジである。
ダイアナのアルバムを聴いていて、毎度毎度思うのだが、バッキングを務める、マクブライドのベースとマローンのギターが異様に上手い。ボーカルの伴奏かくあるべし、とでも言わんばかりの素晴らしさ。テクニックが最高な二人なので出来る技なんだろうが、最高なテクニックを持ちながら、それをひけらかすこと無く、シンプルに端正に、余裕を持ってバッキングする。粋である。
ダイアナのボーカル最新作は「絶品」と「粋」が詰まった素晴らしい「スタンダード集」。録音も良好。とても良い音で、聴いていてウットリする。この盤はしっかりとしたステレオで聴いてもらいたい。初夏の朝の雰囲気にピッタリで、爽やかな朝の時間を過ごすこと請け合いです。
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