自由自在にベースを操るビトウス
昨日、Gerry Gibbs & Thrasher Peopleのウェザー・リポートのカヴァーを聴いていて、やっぱりウェザー・リポートはええなあ、と再認識。今から40年ほど前、ジャズを聴き始めた頃、チック・コリアのバンドと双璧のお気に入りバンド。僕は特に初期の頃の、硬派でメインストリームなエレジャズがお気に入り。
で、ふとビトウスの初リーダー作が脳裏に浮かんだ。そうだあれを聴こう、ということで、Miroslav Vitous『Infinite Search』(写真左)。邦題『限りなき探求』。1969年の作品になる。1969年と言えば、ジャズ界ではエポック・メイキングな年で、マイルス・デイヴィスがエレ・ジャズの傑作『Bitches Brew』を発表した年である。
このビトウスの『限りなき探求』も明確なエレ・ジャズ。雰囲気的にはジャズ・ロック寄りである。冒頭のエディ・ハリスの名曲「Freedom Jazz Dance」がこのアルバムの雰囲気を代表する演奏であるが、ヴィトウスの超重量級のアコベと、マクラフリンのノイジーでフリー寄りなエレギが突出していて、雰囲気は明確に、アーティスティックな「ジャズ・ロック」。
僕は、このビトウスのブンブン、ビンビンと叩く様に、ハイ・テクニックに弾きまくるアコベを聴いて、ジャズ・ベースに関する認識を改めました。リズム&ビートをキープするだけが、ジャズ・ベースの役割では無い。ソロも前面に押し出てバンバンいけるし、ベース中心のインプロビゼーションも可能。
思い起こせば、当時、このミロスラフ・ビトウス、そして、チックの盟友スタンリー・クラークと新しいスタイルと奏法を引っさげた、ニュータイプのベーシストが出現したんですよね。どちらも、明確なエレ・ジャズ志向、雰囲気的にはジャズ・ロック寄り。ブンブン、ビンビンと叩く様に、ハイ・テクニックに弾きまくるアコベ。ジャズ・アコベの進化形。
現代の最先端のコンテンポラリーな純ジャズに通じる、新しい響き、新しい雰囲気が実に魅力的なアルバムです。自由自在にベースを操るビトウスは圧巻です。最後にパーソネルを記しておきましょう。Miroslav Vitous (b), Joe Henderson (ts), John McLaughlin (g), Herbie Hancock (p), Jack DeJohnette (ds), Joe Chambers (ds)。参加ミュージシャンも大物ばかりです。
震災から6年2ヶ月。決して忘れない。まだ6年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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