アフリカの音 + 崇高なジャズ
アブドゥーラ・イブラヒム(Abdullah Ibrahim)= ダラー・ブランド(Dollar Brand)。確か、僕がジャズを聴き始めた頃、1970年代後半は「ダラー・ブランド」だったなあ。1980年代に入ってからやないかなあ、「アブドゥーラ・イブラヒム」っていう呼び名に変わったのは。
僕はこの「アブドゥーラ・イブラヒム」のピアノが、音楽性が大好きである。ジャズのフォーマットに、伝統的なアフリカのフォークソング、米国黒人のゴスペルの要素を思いっきりぶっ込んで、アーティステックなジャズをやる、という、唯一無二の個性が、彼の持ち味。
伝統的なアフリカのフォークソング、米国黒人のゴスペルの要素を部分的に取り込むことは、それが好みのジャズメンはたまにやるが、イブラヒムの様に、全面的に伝統的なアフリカのフォークソング、米国黒人のゴスペルの要素を大々的に取り入れて、その雰囲気のまま、バーンと最初から最後までやってしまうのは彼しかいない。
そんなアブドゥーラ・イブラヒム(Abdullah Ibrahim)= ダラー・ブランド(Dollar Brand)の音楽的個性が手に取るように判るアルバムがある。Dollar Brand(Abdullah Ibrahim)『African Space Program』(写真左)である。1973年11月の録音。enjaレーベルからのリリース。
ジャケット写真が実に良い雰囲気。アフリカの原野、その中に一本の道、一本の木。イブラヒム独特の個性が音が聴こえてきそうだ。冒頭の「Tintiyana, Pt. 1」。伝統的なアフリカのフォークソングの響き、アフリカ系ワールド・ミュージックのリズム&ビート。それが、フリー・ジャズのフォーマットの中で乱舞する。ふぇ〜、僕にとっては「とても心地良い音世界」。
このアルバムには、アブドゥーラ・イブラヒムの音の個性がギッシリ詰まっています。しかも、ジャズとして聴くと、とても硬派なフリー・ジャズな要素とモーダルな自由度の高いジャズとが相まみえた、かなり高度でコンテンポラリーなメインストリーム・ジャズであることに改めて驚く。現代の先進的なジャズとして十分に評価出来る、崇高で高邁な音世界です。
震災から6年。決して忘れない。まだ6年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。
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