オールド・スタイルなテナーです
ジャズの世界は広い。改めてそう感じる。僕は、この盤を「ジャズ批評ジャズ・オーディオ大賞」でそのタイトルを見て、初めて知った。この盤に対するコメントを見て興味を持って聴いてみて「あらビックリ」。ジャズ・テナーって基本的には「コルトレーン直系」なので、この人もなんやかんや言ってもそうなんやろな、と思って聴き始めて「あらビックリ」。
Bodil Niska『Night Time』(写真左)。2009年の作品。ちなみにパーソネルは、Bodil Niska (ts), Staffan William-Olsson (g), Claes Crona (p), Jorgen Smeby (b), Petur Ostlund (ds), Roy Nikolaisen (flh), Birgit Kjuus (flh), Helge Sunde (tb), Oyvind Brakke (tb), Rune Brodahl (hrn)。
リーダーはテナー・サックスの「ボディル・ニスカ」。ノルウェー出身、女性テナー奏者である。1954年生まれなので、今年で63歳になる。大ベテランである。ベン・ウェブスター直系の伝統的なオールド・スタイルなテナーである。コルトレーンの陰も微塵も無い。が、実はこれがなかなか味があって聴き応えがある。
そんなベン・ウェブスター直系の伝統的なオールド・スタイルな渋くて味のあるテナーで奏でる雰囲気は、アルバム・タイトル通り、まさに「夜」。アーバンな夜の雰囲気が濃厚なブロウが10曲。聴いていて、思わず惚れ惚れと聴き込んでしまう。こんなオールド・スタイルなテナーが、北欧のノルウェーに、しかも女性のテナー奏者で、しかも大ベテラン。
冒頭の「Over The Rainbow」が、実に骨太でオールド・スタイルのテナーでボボボボと吹き上げられている様を聴いていて、これは新しい感覚やなあ、と思わず聴き入った。まさに「温故知新」である。しかし、このオールド・スタイルのテナーを女性が吹いているのにはビックリした。しかもノルウェー出身である。二度ビックリである。
北欧ジャズは意外と奥が深い。最近、いろいろとCDを漁っては聴いているが、どれもが水準の高い内容ばかりである。しかも「北欧ジャズ」というジャンルで括るに相応しい共通の個性を持っている。実直真面目、ファンクネス皆無な、透明度の高い純ジャズである。この 「ボディル・ニスカ」のテナーもその括りに入る。もっともっと北欧ジャズを聴きたくなった。
震災から6年。決して忘れない。まだ6年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。
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