メインストリームなラテンジャズ
イタリア・ジャズが充実している。欧州ジャズが一般的になって久しいが、イタリアのジャズはなかなか日本には届かなかった。21世紀になって、ネットでの情報流通が早くなって、やっとイタリア・ジャズの全貌が日本に伝わるようになったと感じている。最近のことですよね、イタリアのジャズ盤を日常で聴くようになったのは。
イタリアのジャズ・トランペット奏者である「ファブリッツィオ・ボッソ(Fabrizio Bosso)」も最近、やっと馴染みのトランペットになってきた。1973年生まれなので、今年で44歳。もう若手では無い、現代のジャズを支える、中堅のジャズ・トランペッターである。このファブリッツィオ・ボッソの「聴いて楽しい」純ジャズ盤がある。
Fabrizio Bosso & Javier Girotto『Sol!』(写真左)。2008年の作品。ちなみにパーソネルは、Fabrizio Bosso (tp,flh), Javier Girotto (ss,bs,per), Natalio Mangalavite (p,key,vo), Luca Bulgarelli (el-b), Marco Sinscalo (el-b), Lorenzo Tucci (ds), Bruno Marcuzzi (per)。う〜ん、トランペットのファブリッツィオ・ボッソしか判らない(笑)。
ファブリッツィオ・ボッソがサックス奏者ハビエル・ジロットと組んだラテン・プロジェクトのアルバムである。ふむふむ、タイトルの『Sol!』とアルバム・ジャケットから何となく想像出来るラテン・プロジェクトである。選曲もラテン調の曲を持ってきているが、単純なラテン・ジャズの饗宴になっているかというと、そうでないところがこのアルバムの「ニクい」ところである。
ラテン調の明るいトーンのフレーズ展開ではあるが、基本的に「ラテンのリズムにモーダルな」演奏。メンストリーム・ジャズのアーティステックな面とラテン調の楽曲のポップスな面とが上手く融合して、聴いて楽しい、聴いて聴き応えのある、なかなか内容のあるアルバムに仕上がっている。
ボッソのトランペットとジロットのサックスの都会的で小粋な熱いブロウが心地良い。ラテン調の楽曲、ラテンのリズムにモーダルな演奏がとても楽しい。録音も良好、ジックリと聴き耳立てるも良し、あっさりと聴き流して「ながら聴き」で楽しむも良し、なかなか充実した内容の企画盤です。メインストリームなラテン・ジャズ。イタリア・ジャズも隅に置けませんな。
震災から6年。決して忘れない。まだ6年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。
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