R&B系のフュージョンもう一丁
R&B系のフュージョン・ジャズと言えば、やはり僕にとっては、伝説のフュージョン・バンド「Stuff」そして、フュージョン・ジャズの筆頭ドラマー、スティーブ・ガッド率いる「The Gadd Gang」、この2つのグループが決定的存在である。
この「Stuff」と「The Gadd Gang」共通のギタリストといえば、コーネル・デュプリー(Cornell Dupree)である。デュプリーのエレギは明らかにファンキー、そしてR&Bなリズム感、いわゆる「ファンキー&ソウルフル」なフュージョン・エレギである。
「Stuff」にしたって「The Gadd Gang」にしたって、醸し出すR&B系のフュージョン・ジャズな雰囲気は、このデュプリーのエレギが決め手の一つである。デュプリーの「ファンキー&ソウルフル」なフュージョン・エレギがあってこそ、「Stuff」にしたって「The Gadd Gang」にしたって、R&B系のフュージョン・ジャズの代表的バンドとして君臨できるのである。
そんなデュプリーの晩年のアルバムがこれ。Cornell Dupree『Doin' Alright』(写真左)。2011年のリリース。「ファンキー&ソウルフル」なR&B系のフュージョン・ジャズの代表的ギタリスト、デュプリーの個性全開。「デュプリーならではの魅力満載なアルバム」である。とにかくご機嫌なR&B基調の演奏がズラリ。
収録曲はオリジナル楽曲の他、レイ・チャールズ、ジミー・リード、ジミー・マクグリフ、キング・カーティス&キングピンズ、ハンク・クロフォード、ブルック・ベントン…等。R&B系のフュージョン・ジャズ好きにとっては笑いが止まらない。
もうたまらん内容である。やれ歳をとった老齢のプレイだの、フレーズが出てこないだの、ピッキングがいまいちだの、調子最悪だの、内容的に何かと揶揄されているみたいだけれど、いいじゃないか、とにかくデュプリーがデュプリーらしい盤である。それで良いではないか。
テキサス・ファンク&ブルース・グルーヴの極みである。細かいことを言わずに、盤全体の「デュプリーならではの魅力」をバクッと感じ取り楽しむアルバムだと思います。バリバリのデュプリーが聴きたければ、若い頃の好盤に耳を傾ければ良い。僕はデュプリーが楽しそうに「ファンキー&ソウルフル」なフュージョン・エレギを弾き楽しんでいる、この盤の雰囲気が大好きである。
ちなみに本作はコーネルが亡くなる2ヵ月前、テキサス州オースティンで録音された正真正銘のラスト・アルバム。2011年5月8日、肺気腫の為、鬼籍に入る。合掌。
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