ジャズ喫茶で流したい・101
外ではちょっと強めではあるが、暖かい雨が降っている。温かい雨。いよいよ春が近づいてきたなあ、という実感が嬉しい。今年の冬は寒かったからね。こういう暖かいワクワクする雨の日には、ポジティブな、切れ味の良いハードバップ、ストレートアヘッドなジャズ盤が良い。
この盤の存在を知った時、やはり老舗のジャズ喫茶のマスターは隅に置けないなあと思った。とてもブリリアントに気持ち良く鳴る、切れ味の良いトランペット。小気味良く躍動感のあるリズム・セクション。そのトランペットのリーダーの名を聞いて、どっかで聞いた名前なんだが、と首を捻ったのが2年前。
Charles Tolliver『The Ringer』(写真左)。1969年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Tolliver (tp), Stanley Cowell (p), Steve Novosel (b), Jimmy Hopps (ds)。盟友カウエルらとのカルテット編成。そうか、ピアノはカウエルか。どうりで、モーダルな響きがすると思った。
この盤、とにかくトリバーのトラペットが素敵。とっても良く鳴るトランペットで、実にクリアな響きなのだ。こんなに伸びの良い、気持ち良く鳴るトランペットは他にありそうで無い。全編、気持ち良く鳴って格好良い。こういうシンプルに素敵なトランペットはなかなか無い。
カウエルのピアノも素敵だ。聴けば判るが、当時として明らかに新しい音がする。ハードバップなピアノ・フレーズとは確実に一線を画する、モーダルで個性的な和音の重ね方がユニークだ。そんな新しいストレートアヘッドなフレーズがバックに鳴り響く。このバックのリズム・セクションの音だけでも「聴きもの」だ。
こういうアルバムを、ヒョコッと紹介してくれるのだから、老舗のジャズ喫茶のマスターは隅に置けない。いや〜、勉強になりました。そう、チャールズ・トリバーって、ジャッキー・マクリーンのグループへの参加でデビューを果たしていて、ブルーノートにその演奏を残していたことを思い出しました。他のアルバムも早速聴いてみようと思います。
震災から5年11ヶ月。決して忘れない。まだ5年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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