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2017年1月10日 (火曜日)

ワールド・フュージョンな『Imaginary Day』

パット・メセニーの聴き直しを進めている。パット・メセニーがお気に入りだ、と言うと、「え〜っ、マスター、パットがええの?」と聞き返されることが時々ある。どうも、パット・メセニーは、ジャズ者の方々の中では、かなり極端に好き嫌いが分かれるようだ。

確かに、ジャズの重要要素である「ジャジーな雰囲気」「ファンキーな雰囲気」が希薄で、特にパット・メセニー・グループ(以降PMGと略す)米国の大自然を彷彿とさせる様な、ネイチャーな音世界が特徴。これが、硬派なジャズ者の方々には「これはいかん」ところで、パットは好きじゃない、ということになる。

そんなパット・メセニーは、PMGでのパットと単独のパットと、これまた演奏する内容が全く異なったりするから、これがまた嫌われる要素になる。硬派なジャズ者の方々から「二股かけんなよ」ということで、パットは好きじゃない、ということになる(笑)。

さて、PMGの音世界の最大の特徴が「米国の大自然を彷彿とさせる様な、ネイチャーな音世界」であるが、その雰囲気が一番、極端に触れたアルバムが、このアルバムである。Pat Metheny Group『Imaginary Day』(写真左)。1997年10月のリリース。

このアルバムは、明らかにワールド・ミュージックに大々的に取り入れた「ワールド・フュージョン」と呼んで良いほどの内容である。世界の様々な地域の音世界が取り込まれていて、聴いていてとても楽しい。
 

Imaginary_day

 
というのも、僕はワールド・ミュージックが大好きで、ワールド・ミュージック好きの僕にとって、このアルバムは「とても美味しい」。オリエンタルな響きあり、ケルト音楽を彷彿とさせる響きあり、牧歌的な響きあり、様々な国の音楽の香りがとても芳しい。

そして、何より、このアルバムが優れている点は、この様々な国の音楽、いわゆるワールド・ミュージックな要素をしっかりとPMGの音世界として取り込み昇華させているところである。聴き応え満点である。

このPMGの音世界をジャズとするかどうか、という議論もあるみたいだが、バックのリズム&ビートはジャズっぽくもあり、もともとジャズは融合の音楽である、と言う観点からしても、ワールド・ミュージックに大々的に取り入れた「ワールド・フュージョン」的なアプローチは「ジャズらしい」と僕は感じていて、これはこれで「アリ」かな、と。

1950年代の4ビートのハードバップを「純ジャズ」とするなら、このPMGのアルバムはその対極に位置する内容ですね。これもジャズ、されどジャズ。肩肘張らずに、極上の「ワールド・フュージョン」を愛でるのもよいものです。

 
 

★震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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