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2017年1月21日 (土曜日)

「パット個人の音」の原点回帰

パット・メセニーの聴き直しは続く。が、パット・メセニー・グループ(Pat Metheny Group, PMGと略す)名義としては、このアルバムが最新になる。いよいよである。Pat Metheny Group『The Way Up』(写真左)。2005年のリリースである。

パーソネルは以下の通り。Pat Metheny (g), Lyle Mays (p, key), Steve Rodby (b), Cuong Vu (tp), Grégoire Maret (harmonica, perc), Antonio Sánchez (ds)。鉄壁のレギュラー・メンバーである。

前作『Speaking of Now』で、PMGは原点回帰した。米国の大自然を彷彿とさせる、フォーキーでネイチャー・ジャズ(僕が勝手に名付けている)な音の響き。独特の浮遊感と疾走感。あの「Still Life」の頃の音が、PMGならではの個性的な音世界に立ち戻った。

そして、今回のこの現時点での最新作『The Way Up』においては、前作でPMGとしての音世界の原点回帰を実現したことを踏まえて、このアルバムではリーダーのパット・メセニー個人としての原点回帰を実現していると感じる。

もともと、パットは活動初期の頃から、パット個人としての活動とPMGとしての活動の「二足の草鞋」を履いていた。今回は、このパット個人としての活動の色合いが濃い。アルバムの名義が「パット・メセニー with PMG」と形容して良い位の音作りになっている。
 

The_way_up1

 
その音世界の構成が壮大である。序章+3部構成となるコンセプト・アルバムとなっていて、これはもうジャズという範疇からは逸脱しているかもしれない。便宜上、序章+3部構成という4つのパートに分かれてはいるが、曲としては、ひとつの流れを持つ全72分の大曲である。全くもっての力作である。

音世界はPMGの音を基本にはしているものの、PMGのポップな部分をそぎ落として、結構シリアスな、メインストリーム・ジャズを基調としている。そんな音を前提に、ジャズの交響組曲の様な壮大でシリアスな演奏が展開される。

当然、ファンクネスは皆無。米国の大自然を彷彿とさせる、フォーキーでネイチャー・ジャズも基本的に抑制されている。前衛的な音世界も見え隠れして、これは明らかに初期の頃のパット・メセニー個人としての音世界である。

2002年の『Speaking of Now』の時点で48歳、この『Speaking of Now』の時点で、51歳。50歳という人生の節目の前後で、パットはPMGとパット個人の音世界を原点回帰させたことになる。理屈好きなパットらしい話ではある。

 
 

震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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