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2017年1月22日 (日曜日)

2010年代後半の新しい純ジャズ

年が明けて1月から2月になると、ジャズ雑誌では前年にリリースされたジャズ盤の中から「優秀盤」を選定する「ディスク・グランプリ」の季節になる。2016年の「ディスク・グランプリ」の結果がジャズ雑誌に掲載されるのだ。

意外とこの「ディスク・グランプリ」って面白い。前年のジャズのトレンドが良く判るし、評論家と一般のジャズ者の方々と感じ方、捉え方の違いが興味深い。実は一般のジャズ者の方々の方が、その時代時代のジャズのトレンドを的確に捉えている事の方が多いのだ。評論家というもの、音楽業界の中ではいろいろとしがらみがあるのかなあ、なんて想像したりする(笑)。

さて、この「ディスク・グランプリ」を眺めていると、何枚か聴き逃したアルバムがあるのに気付く。ありゃりゃ、これはいかんいかん、ということで、2016年の優秀盤の落ち穂拾いをするのが、これまたこの1月から2月にかけての季節になる。そんな「落ち穂拾い」の一枚がこれ。

New Century Jazz Quintet『ARISE』(写真左)。宣伝の触れ込みは「古き良きジャズのエッセンスを基に若い感性で創造する新時代のジャズをニューヨークから発信する」カルテットである。2014年6月にデビュー以来、着実に成果を挙げてきている。その存在は雑誌を通じてしってはいたが、この新作については、ついうっかり「ノーマーク」。

ちなみにパーソネルは、Benny Benack Ⅲ (tp), Tim Green (as), Yasushi Nakamura (b), Takeshi Ohbayashi (p), Ulysses Owens Jr. (ds)。日本人ミュージシャンが2名参加している。ピアノの大林武司、ベースの中村恭士の2名。他はNYのジャズ・シーンの中での期待の若手ジャズメン達である。
 

Arise1

 
ジャズ界において、こういう若手ジャズメンを中心とした「古き良きジャズのエッセンスを基に若い感性で創造する新時代のジャズをニューヨークから発信する」バンドは、10年に1つ位、必ず発生する。

1980年代後半の「Out of Blue」がそうだったし、1990年代後半の「One for All」もそうだった。2000年代後半は「European Jazz Trio」がそうだったかな。で、今回、2010年度後半にさしかかる2016年にこの「New Century Jazz Quintet」である。

このアルバムに詰まっている音は、1950年代後半の「ハードバップ」、そして、1960年代のメインストリーム・ジャズのトレンドだった「モード・ジャズ」。1980年代、純ジャズ復古以降の「ネオ・ハードバップ」。それぞれの時代のメインストリーム・ジャズのメインとなったトレンドを振り返り、現代の新しい感覚で再構築している。

面白いのは、ジャズの個性の代名詞だった「ファンクネス」が希薄になってきていること。コッテコテのファンクネスは希薄になって、洗練されたブルーノートな響きがそれにとって代わり、その洗練されたブルーノートな響きの中に「マイナーでジャジーな雰囲気」が漂っていて、その中にそこはかとなく「ファンクネス」が残っているのみ。

洗練された、硬質でテクニカルなブルーノートがメインの「「古き良きジャズのエッセンスを基に若い感性で創造する新時代のジャズ」である。これから2010年代後半に深く時代が進む中、この現代のメインストリーム・ジャズはどう変化していくのだろうか。興味津々である。

 
 

震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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