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2016年12月16日 (金曜日)

エロル・ガーナーは素晴らしい

最近、日本の若手ジャズ・ピアニストの談話の中で、このピアニストの名前が良く出てくる。聞けば意外に感じる「エロル・ガーナー(Erroll Ganer)」。バップ系のピアニストでは無い。それ以前、モダン・ジャズ以前、スイング系のピアニストで「ビハインド・ザ・ビート」と形容される独特の演奏が個性とされる。

そんなエロル・ガーナーであるが、このピアニストの代表作が『Concert By The Sea』(写真右)。しかし、このアルバムはLP時代、1枚のアルバムで収録時間は40分そこそこ。その40分そこそこの中にノリノリの「ビハインド・ザ・ビート」が展開される。

なんとなく、エロル・ガーナーの個性を理解し始めた頃に終わってしまう、僕にとっては、そんな物足りなさが「てんこ盛り」のアルバムだった。収録時間が短いのか、乗りきれないまま、理解しきれないまま、終わってしまうような、そんな物足りなさ。

それが、である。長生きしているものである(笑)。昨年のことである。この『Concert By The Sea』のコンプリート盤がいきなり出た。『The Complete Concert By The Sea』(写真左)。1955年9月のライブ録音。ちなみにパーソネルは、Erroll Garner (p), Edie Calhoun (b), Denzil Decsta Best (ds)。一応、ピアノ・トリオの体である。

CD3枚組、トータルで2時間半強。これだけ長尺だと、やっとのことで、エロル・ガーナーのピアノ・プレイを心ゆくまで堪能出来る。逆に、途中で飽きるのではないか、という懸念も出てくる。とにかくトータルで2時間強の中で、ノリノリの「ビハインド・ザ・ビート」が展開。
 

Concert_by_the_sea

 
しかし、聴き終えて「圧倒的」であった。2時間半強の「ビハインド・ザ・ビート」の饗宴。飽きるどころか、ノリノリの一気に聴き終える。迫力満点、ドライブ感満点のガーナーのアドリブ展開。エロル・ガーナーと言えば「ビハインド・ザ・ビート」ばかりがクローズアップされるが、それだけでは無い。

ガーナーのピアノは、スイング・ピアノの雰囲気そのままに、アドリブ展開が「ビ・バップ」。ノリの幅が広く、スイング感が強烈。アドリブ展開の時の右手の展開がクラシック・ピアノの様に「流麗」。それでいて「ビハインド・ザ・ビート」を織り込むことで、ファンクネスを強烈に印象付ける。

ガーナーのピアノは「ノリに乗る」。ソロ・ピアノの展開だって、トリオ演奏の展開だって「ノリに乗る」。しかし、展開の流麗さが、その「ノリ」を「いやらしく」聴かすことは無い。かつ、加えてタッチが硬質。フレーズの音を拾いやすい程の硬質なタッチ。明朗で判り易い、そしてノリが良くスインギー。

なるほど、このコンプリート盤を聴いて、ガーナーのピアノ・プレイの良さが十分に理解出来て、彼のピアノの良さが良く判った。最近の若手ピアニストの中で人気が高いのも頷ける。温故知新。21世紀も15年が過ぎた現時点において、エロル・ガーナーのプレイ・スタイルって、意外と新しく響くのかもしれない。

 
 

震災から5年9ヶ月。決して忘れない。まだ5年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

今年も色々楽しませていただきまして、ありがとうございました。
マスターの楽しい解説を拝見しつつ、手持ちのアルバムを再発見することも多くて、感謝しております。

エロールガーナーのこのCDは私も驚きました。まさにうれしい発掘盤でしたね。

さて、私の今年1年での極私的な驚きの1枚といいますと、Mobile Fidelityレーベルから2013年に再発されたマイルスの「フォア&モア」につきます。このレーベルのマスタリングには注目すべきものがありますが、このCDには改めて感激しました。

なんといってもトニーウイリアムスの、当時驚愕されたといわれる右手のシンバルワークがここまでリアルに再現されたことはないように思いました。おそらくシンバルをテープでミュートしたとおもわれるライドシンバルとシズラーをつけたトップシンバルの音色の違いがこれほどリアルに聞こえた経験はこれまでありませんでした。

同じ意味ではコルトレーンのジャイアントステップスのモノラルリミックス盤もとてもすばらしい出来で、全体の印象さえ変わったくらいです。

来年もこうした驚きの発見があることが楽しみです。^^

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