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2016年12月 8日 (木曜日)

ジョンの命日がやってきた。

また今年もやってきた。ジョン・レノンの命日。 ニューヨーク、1980年12月8日 22時50分、ジョン・レノンは撃たれた。日本時間にすると、12月9日の12時50分。確かにそうだった。火曜日だった。僕が「ジョンが撃たれた」というテレビのニュースを見たのは、14時だったかと思う。

テレビでは「ジョンが撃たれた」だけで、生死の状態についてのコメントは無かった。僕達は「ジョンが撃たれたって、ほんま、米国って危ない国やなあ」なんて呑気な会話を交わしていて、とにかく「ジョンが死ぬわけが無い」という理由無き確信を持っていた。そして、15時のラジオのニュースでジョンが死んだことを知る。

あの時のショックは決して忘れることは出来ない。あれだけ不条理な死を僕は他に知らない。4年前、自分自身が2度に渡って生死の境を彷徨った経験があるので、死ぬということは、如何に本人にとって辛く悲しい出来事なのか、十分に理解出来る。当時、レノンは40歳。如何に無念であったか。

もともと僕はビートルズの4人の中では、圧倒的に「ジョン・レノン」が好きである。彼の生き様が好きだったし、彼のソロになってからのアルバムも好きだった。当時も今も「ジョンの様に生きたい」と思っているし、ジョンのソロアルバムの全てが好きだ。オリジナル盤もコンピ盤も企画ボックス盤も全てが好きだ。

さて、僕が初めてジョンのソロ盤に出会ったのは『John Lennon / Plastic Ono Band』(写真左)。邦題『ジョンの魂』、略して「ジョンたま」である。1970年12月のリリース。当時、僕は小学6年生。もちろん「ジョンたま」はまだ知らない。そう、僕がこの「ジョンたま」に出会ったのは、高校1年生から2年生になる春休みの事である。
 

John_favorite_albums

 
映研の先代部長Nさんが部室に持ち込んだ。「お前もジョン好きやろ」と聴かせてくれた。NさんとMuさんと3人で聴いた『ジョンたま』。ギター・ドラム・ベースのシンプルな楽器構成(曲によってピアノ・オルガンが入る)。シンプルではあるがビートとメリハリが効いたロックな雰囲気。

歌う内容は「愛だ恋だの惚れた腫れたを歌うより、他にもっと歌わなければならないことがあるだろう」と言わんばかりの硬派な内容。私小説と呼んで良い、最も私的な内容。そして、魂の入ったボーカル。圧倒された。『ジョンたま』を聴き終えた後、言葉が出なかった、動くことが出来なかった。

これぞロック、である。さすがジョン、やっぱジョン。以降、ジョンのソロ盤は外したことが無い。全て所有している。そして、どれもが愛聴盤。ジョンの飾りをそぎ落とした、ソリッドでシンプルなロックは、僕にとって、ロックとは何か、の問いに答えてくれる「ひとつの指針」である。

そうそう、ジョンのベスト盤として、1975年10月のリリース以来、長年愛聴しているのが『Shaved Fish』(写真右)。邦題『シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡』。まあ、当時、いろいろあって、そのいろいろあった中で、自らを慰め鼓舞してくれた、思い入れの強いコンピ盤である。

米国で発売されていた自身のシングル、もしくはシングル・カット曲を収録しており、僕の好きな曲ばっかりで占められ、しかも、聴き易い順番に並べられている。コンピ盤というより、もう一つのオリジナル盤として評価できる様な、コンピ盤とは思えない「統一感」。アーティスティックなジャケットもお気に入りで、今でも愛聴しているコンピ盤である。

僕達は、決してジョンを忘れる事は無い。今年のジョンの命日は『ジョンたま』と『かつお節』で鎮魂。そして、『かつお節』のラス前「Happy Xmas (War is Over)」で、今年の終わりを感じ、今年を厳かに振り返るのだ。

 
 

震災から5年8ヶ月。決して忘れない。まだ5年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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