こんなアルバムあったんや・72
Char(チャー)。本名は、竹中 尚人(たけなか ひさと)。1976年、アルバム『Char』でデビュー。 1977年6月にリリースされた『気絶するほど悩ましい』は歌謡ロック路線のヒット作となり、アイドル系ギタリストとして人気を博す。僕は、この『気絶するほど悩ましい』でCharを知り、デビュー盤『Char』に行き着いた。
僕はこの人のギターが好きである。70年代のデビュー当時から好きである。テクニック高く、シャープで切れ味の良い、それでいて骨太で硬派なこの人のギターは、世界のロックに対抗できるレベルのギターである。とにかく聴いていて気持ちが良い。
そんなCharが、初の全曲インストルメンタルアルバムをリリースしている。Char『Sacred Hill 〜聖なる丘〜』(写真左)。2002年9月のリリース。音を聴いていると、少し湿っていてくすんでいる。これってブリティッシュな音やん、と思ってネットの情報を見ていたら、やっぱり英国録音。なかなか良い音で録れている。
全曲ギター・インストのアルバム。テイストは「フュージョン」。それもロック寄りのフュージョン。これだけ、バリバリにギターだけを弾きまくる盤、聴いていて、ジェフ・ベックの『Blow By Blow』 そして『Wired』を思い出す。しかも、このCharのギターはその「ジェフ・ベック」の神的ギターと比べて全く遜色が無い。
聴いていて嬉しくなる。日本人ギタリストの手によって、あの「ジェフ・ベック」と全く遜色の無い、目眩く神的なギター・インストが堪能出来るのだ。壮大な展開が心地良い「Sacred Hills」、今様の新しい響きが格好良い「Heavy Head Wind」、スティーヴィー・ワンダーのロマンティックなカバーがこれまた格好良い「You And I」。格好良いギター・インスト満載である。
明らかに自由度の高いアドリブ・ソロが眩しい。譜面に起こして作曲しつつ、理詰めでフレーズをイメージするという手法ではなく、インスピレーション勝負な直感フレーズが素晴らしい。官能的でスピリチュアルなところは、先の「ジェフ・ベック」を超えている。この盤、日本発のフュージョン盤として愛でることが出来る。好盤である。
震災から5年9ヶ月。決して忘れない。まだ5年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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