最近のトラックバック

« 鯔背なリー・モーガンを堪能する | トップページ | AORの先駆的な音が眩しい。 »

2016年12月14日 (水曜日)

ノラ・ジョーンズ第2章の幕開け

まあ、この人のやる音楽を、どこかの音楽ジャンルの一つに押し込める事自体がナンセンスだと思っているのだが、今回の新盤については「ノラがジャズに帰って来た」と喧しい。「帰って来た」というが、じゃあ今までどこへ行っていたんだ(笑)。

その新盤とは、Norah Jones『Day Breaks』(写真左)。今年の10月のリリース。通算6作目のリーダー作となる。タイトルが意味深で「Day Breaks(夜明け)=ノラ・ジョーンズ第2章の幕開け」という解釈になるらしい。加えて、この盤は「ノラ・ジョーンズのピアノ回帰」。久しぶりにアルバム12曲全編でピアノを弾いている。

ピアノを弾いているからジャジー、いわゆる「ジャズの回帰」と単純に感じている訳では無い。オリジナル曲の旋律が確実にジャジーなのだ。これだけジャジーな旋律であれば、やはり伴奏楽器のメインはピアノが相応しい。

ホレス・シルヴァーの「ピース」、デューク・エリントンの「アフリカの花」、そしてニール・ヤングの「ドント・ビー・ディナイド」のカバー曲3曲が良い出来だ。アレンジが秀逸。伴奏の雰囲気が、ノラの歌声にピッタリとフィットする。

2016年のジャズ・ボーカルの新盤である。レガシーな「どジャズ」なボーカルでは全く無い。基本的にはポップス系の素直でウェット感満載のフュージョン風のボーカル。しかし、歌唱力抜群なので、むっちゃ聴き応えがある。パーソネルを見渡せば、その錚々たるメンバーにとにかくビックリする。ノラがジャジーなアルバムを制作するというだけで、これだけの面子が集まるんやね〜。
 

Day_breaks_norah_jones

 
自身のルーツであるジャズをベースに、米国ルーツ・ミュージックの要素を織り交ぜながら、ルーツ・ポップな独特な音世界を創造するノラ・ジョーンズは凄みすらある。スケールの大きいボーカリストになったもんやなあ、と感心することしきりである。バックの演奏も高度でメロディアス。バックの演奏自体がジャジーな要素を増幅している。

このアルバムの感じで「ザ・バンド トリビュート」な企画盤を作ってくれないかなあ。絶対に良い企画だと思うんだけど。ジャズへの回帰、なんて宣伝してますが、決してノラのボーカルは、正統なジャズ・ボーカルではありません。ノラの歌唱はあくまでノラの歌唱そのもの。ジャズとかロックとか、どこかの音楽ジャンルの一つに押し込めること自体がナンセンス。

しっとりと落ち着いた好盤だと思います。ゆったりとアルバム全体を聴き通してしまいます。狭義の意味での「ジャズ・ボーカル」を期待して聴くと違和感を感じると思います。

ノラの歌唱を「ジャズ・ボーカル」とするのには無理があるので、そこはしっかり割り切らないと、この新盤を評価し損ねることになります。それはあまりに惜しい。強い先入観を持たずに聴くことが、この新盤を愛でるコツかもしれませんね。

 
 

震災から5年9ヶ月。決して忘れない。まだ5年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

« 鯔背なリー・モーガンを堪能する | トップページ | AORの先駆的な音が眩しい。 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/68843555

この記事へのトラックバック一覧です: ノラ・ジョーンズ第2章の幕開け:

« 鯔背なリー・モーガンを堪能する | トップページ | AORの先駆的な音が眩しい。 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ