ながら聴きのクロスオーバー
高中正義。日本が誇るエレギ奏者。特にそのインスト・エレギは唯一無二。思いっきり、高中ならではの個性で固められている。1曲聴けば、直ぐに高中と判るほどの個性。しかし、その個性的な音は「ジャンルレス」。ロックとも言えず、ジャズとも言えず。一言で言えば「高中」。
僕はそんな高中のインスト・エレギを「クロスオーバー」と位置づけている。ロックとフュージョン、そしてラテンなどなど、色々なジャンルの音楽の美味しいところを混ぜこぜにしている。リズムの基本はロック、混ぜこぜのところはクロスオーバー・ジャズ。スッキリ整った、エネルギッシュな「クロスオーバー」。
そんな「クロスオーバー」なインスト・エレギを堪能出来るアルバムの一枚がこれ。高中正義『Ocean Breeze』(写真左)。高中正義の2枚目のライブ盤。1982年のリリース。1980年代初頭、高中正義がノリに乗っている頃に敢行された「Power Play」と銘打ったライヴ・ツアーの模様が収録されたもの。
このライブ盤、初期の頃からの「高中者」からすると、充実な内容なのだ。冒頭の「メドレー」を聴けば、高中がソロとして活躍するようになった初期の代表曲が、メドレー形式で演奏されているもの。どっかで聴いたことのある「高中フレーズ、高中節」がどんどん出てくる。しかも、メドレーとは言え、しっかりアレンジされていて、聴き心地満点。
2曲目の「Plastic Tears」以降、高中の往年の名曲、名演がズラリと並ぶ。ゆったりしたバラードあり、爽快なアップテンポの曲あり、様々なフォーマット、様々なリズム&ビートに乗って、高中がエレギを弾きまくる。弾きまくってはいるが、さすがは高中。徹頭徹尾「メロディアス」。流麗なアドリブ・フレーズが止めども無く沸き出でる。
このライブ盤、実は聴き流しに最適。僕はこのライブ盤には、社会人になって独身寮の休みの朝、必ずこのライブ盤を聴いていた時期がある。この盤の持つ爽快感が良い。メロディアスでテクニカルなエレギの音が良い。朝の起き抜けに心がポジティブになる様な、アグレッシブに一日を過ごせるように背中を押してくれるような「高中サウンド」が実に見事だった。
震災から5年8ヶ月。決して忘れない。まだ5年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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