ネオ・バップなヴァイオリン
ヴァイオリン・ジャズは潰えそうで潰えない。衰退基調で、もはや希少価値かと思われた頃に、また新しいヴァイオリン・ジャズメンが現れる。レジェンドが亡くなっても、中堅どころが新しい展開を見せて、良作を量産したりする。細々とではあるが、ヴァイオリン・ジャズの歴史は永続的である。
1997年、ステファン・グラッペリが亡くなって、さすがに以降、ヴァイオリン・ジャズを聴く事も無いか、と思っていたら、このヴァイオリン・ジャズメンに出会った。Billy Bang(ビリー・バング)である。ビリー・バングは1947年生まれ、惜しくも2011年に亡くなった。享年63歳であった。
2011年に亡くなっているとは言え、このバングのヴァイオリン・ジャズは聴いたことが無い。まだこんな聴いたことの無いヴァイオリン・ジャズメンがいたんや、と思わずビックリした。そして、聴けば、かなり個性的なヴァイオリン・ジャズが展開されている。いやはや、ジャズメンの世界は裾野が広い。
ビリー・バングは、オーネットやコルトレーンの影響を受けつつ、1970年代後半のロフトジャズ運動のあたりから活動を開始。Sun Raのバンドに参加するなどした後、ソロでフリージャズ的な作品を展開。1990年代以後、志向を変え、2011年、癌で亡くなるまで、ストレートなバップ・サウンドに取り組み良作を量産した。
このビリー・バングと僕はこのアルバムで出会った。Billy Bang『Big Bang Theory』(写真左)。2000年のリリース。ピアノ、ベース、ドラムとのカルテット編成によるバップ・アルバム。ストレートアヘッドで切れ味の良い演奏が素晴らしい。とりわけ、ヴァイオリンがバップしているところがミソ。ところどころ、フリーキーな要素も織り込んでいて、コンテンポラリーな雰囲気ムンムン。
めっちゃ硬派なヴァイオリン・ジャズだと思います。ヴァイオリン・ジャズって、ヴァイオリンの哀愁あふれる音を活かした、ちょっとマイナーでムーディーな、イージーリスニング・ジャズ的アプローチをどうしても想起してしまいがちですが、このビリー・バングの『Big Bang Theory』を聴くと、いやいやそんなことな無い、と思いますね〜。
震災から5年7ヶ月。決して忘れない。まだ5年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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