Paul Jackson Jr.の初ソロ盤
スムース・ジャズって、ムーディーで耳当たりの良い響きがメインなので、どうにも、硬派なジャズ者の方々からは受けが悪い。でも、テクニック優秀、アレンジ優秀、歌心満載、アドリブ全開な内容となると、スムース・ジャズだって、意外と聴き応えがある。なかなか隅に置けないスムース・ジャズの好盤もあったりして、なかなか目が(耳が)離せない。
このアルバムなど、スムース・ジャズの好盤の一枚として、我がバーチャル音楽喫茶「松和」では時々選盤される。Paul Jackson Jr.『I Came to Play』(写真左)。1988年のリリース。ポール・ジャクソン・ジュニアのソロ・デビュー作。
とにかく器用なギタリストなので、あれもこれもと、とっちらかった雰囲気がするが、全編「しっかりと芯が入っていて太い」エレギの音で貫かれている。この印象的なエレギの音、ポール・ジャクソン・ジュニア独特の個性である。
ポール・ジャクソン・ジュニア(Paul Jackson Jr.)とは、1959年ロスアンジェルス生まれ、柔軟性を持つ有名セッション・ギタリスト。セッション・ギタリスト出身の、テクニック「バリバリ」+歌心「満載」+演奏の「幅が広い」ギタリスト。典型的なセッション・ギタリストで、その参加セッションの多さから「セッション王」と呼ばれることもある位である。
さて、このアルバム、内容的には典型的なスムース・ジャズ。様々なスタイルの演奏のてんこ盛りなのだが、このてんこ盛りな音楽性が、このポール・ジャクソン・ジュニアの特質である。但し「八方美人的」な雰囲気は全く無い。ポール・ジャクソン・ジュニアの個性的なエレギの音によって、一本筋の通った統一感がある。
彼はギターを弾きながら歌を歌うのですが、これがまた良い。味がある。この歌の存在が「スムース・ジャズ」である。女性シンガーが微妙に絡むところなんかも「スムース・ジャズ」。でも、ポール・ジャクソン・ジュニアの「しっかりと芯が入っていて太い」エレギの音のお陰で、アルバム全体の雰囲気が「甘くならない」。
ファンクネスも適度に漂っていて、リズム&ビートは打ち込み中心みたいなんですが、意外とジャジーな内容で聴いていて、スムース・ジャズっぽさは気にならない。まずは、ポール・ジャクソン・ジュニアのエレギを愛でて理解するに最適のアルバムだと思います。好盤です。
震災から5年7ヶ月。決して忘れない。まだ5年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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