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2016年11月 9日 (水曜日)

こんなアルバムあったんや・70

寒くなった。今日は北風ビュービュー。今日はここ千葉県北西部地方では「木枯らし一号」が吹きました。とにかく寒い。そんな寒い日、こういうほのぼのとしたハードバップ盤に出会うと、なんか心が温かくなってホッとします。特に、トロンボーンの音は丸くて柔らかくて暖かい。寒くなってきたら、トロンボーンの音が恋しくなる時があります。そんな時に、この盤はジャズトミートです。

Kai Winding『Trombone Summit』(写真左)。1980年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Albert Mangelsdorff, Bill Watrous, Jiggs Whigham, Kai Winding (tb), Mads Vinding (b), Allan Ganley (ds), Horace Parlan (p)。タイトルどおり、トロンボーンがフロントに4本。バックのピアノ・トリオも渋い。

僕はこのアルバムの存在を最近知った。1980年の録音でMPSレーベルからのリリース。1980年と言えば、僕は「ジャズ者2年生」。でも当時、まだまだMPSレーベルのレコードは入手が困難だった。まず、MPSレーベルの存在は知ってはいたが、カタログの内容を全く知らない。1980年当時は、その存在を知らないのは当たり前。

最近になって、MPSレーベルのレコードが組織的にリイシューされる様になって、その一環でこのアルバムの存在を知った次第。トロンボーンがフロントに4本配備されているアルバムなので、まずこの盤は企画盤か、と警戒した。しかし、MPSレーベルのアルバムなので「日本の企画盤のようなことはないだろう」と思い返した。
 

Tronbone_summt1

 
で、聴いてみて納得。確かに「日本の企画盤のようなこと」は無かった。トロンボーン4本それぞれがテクニック優秀、歌心満載。加えて、バックのピアノ・トリオが優秀。マッズ・ヴィンディングのベースがブンブン唸りを立てて、ホレス・パーランの音数の少ない印象的なタッチが心地良く、アーラン・ガンリーのドラミングは堅実至極。

演奏のスタイルは「ハードバップ」。なんの捻りも無い、ストレートな「ハードバップ」である。ポップやファンキーを強調することも無い、モードな展開をすることも無い、コード中心の「シンプルなハードバップ」。1980年当時としては、全く古いスタイルかも知れない。でも、この盤の演奏メンバーは心から楽しむ様に、旧来の「ハードバップ」な展開を奏でている。

その潔さがとっても良い。トロンボーン4本を据えたジャズとしてアレンジも良好。最初「企画盤か」と尻込みしたことなんて全く何処吹く風。聴いていてとっても楽しい、聴いていてグッと味わいのある好盤です。この晩秋から初冬の季節に、心から暖まるジャズとしてお勧めです。

 
 

震災から5年7ヶ月。決して忘れない。まだ5年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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