ピアノ・トリオの代表的名盤・56
ピアノ・トリオを聴き込んでいる。特に欧州ジャズのピアノが気になっている。欧州ジャズのピアノは、一言で言うと、ファンクネスが希薄で透明度が高い。テクニックがあって端正で破綻が無い。アドリブ・フレーズは流麗。タッチは硬質。クラシック・ピアノと相対しても遜色の無い、アーティスティックなインプロビゼーション。
と、一昨日書いた。で、今日は正真正銘、欧州ジャズのピアノ・トリオです。欧州ジャズもど真ん中。北欧ジャズの代表的ピアノ・トリオです。Lars Jansson『In Search of Lost Time』(写真左)。実に北欧らしいイラストのジャケットが実に印象的な、明らかに北欧らしいアルバム。
Lars Jansson(ラーシュ・ヤンソン)は、1951年スウェーデン生まれ。今年65歳。いかにも北欧のピアニストらしい繊細なピアノを弾く。ファンクネスは皆無。しかも湿り気無く、とことんドライ。このカラッとしたところが、ラーシュ・ヤンソン独特の個性。
この『In Search of Lost Time』(邦題;失われた時を求めて)は、2009年3月の録音。ちなみに、Christian Spering (b), Anders Kjellberg (ds), Lars Jansson (p)。このアルバムに詰まっているピアノ・トリオのパフォーマンスは「これぞ、ラーシュ・ヤンソン」と叫びたくなる様な内容です。
この硬質でダイナミック、それでいてクリスタル感満載なピアノ。これぞ、ラーシュ・ヤンソン。そして、ベースのクリスチャン・スペリングも実に良い。骨太でしなやかで硬質なベース。しかもファンキー感全く無しでソリッド感抜群。あ〜これぞ欧州ジャズのベースである。ドラミングも良い。大胆にして細心、緻密でダイナミックなドラミングは欧州ジャズならでは。
徹頭徹尾、欧州ジャズですね〜、このピアノ・トリオ。心地良い緊張感を良し。ジャケット・デザインも明らかに北欧していて良し。北欧ジャズ、それもピアノ・トリオで「これ一枚」というリクエストには、このアルバムをお勧めしている。良い雰囲気の、良い感じのピアノ・トリオ盤です。
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