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2016年9月 2日 (金曜日)

ハリケーン・カトリーナへの鎮魂歌

ジャズの楽曲って、時にメッセージ性を担うことがある。例えば、チャールズ・ミンガスの『直立猿人』や『Charles Mingus Presents Charles Mingus』の「フォーバス知事の寓話」。それから、ウィントン・マルサリスの企画盤の数々、ハービー・ハンコックの『プリズナー』なんかもそうだ。

音楽なんだから、メッセージ性を担うのに不思議は無いのだが、ジャズの場合、特にその「メッセージ性を担う」場合、説得力のある楽曲、演奏になることが多く、メッセージ性を担った楽曲、アルバムは、どれもが「ジャズの好盤」として記憶に留められているケースが多い。

そんな思いを頭の片隅に置きながら、最近、このアルバムにいきなり出会った。サブタイトルを見て「おおっ」と思った。そのアルバムとは、Terence Blanchard『A Tale of God's Will(A Requiem for Katrina)』(写真左)。2007年の作品。老舗ブルーノート・レーベルからのリリースになる。

ちなみにパーソネルは、Terence Blanchard (tp), Aaron Parks (p), Brice Winston (ts, ss), Derrick Hodge (b), Kendrick Scott, Zach Harmon (ds,per) の六人編成。そして、バックに40人編成のオーケストラが着く。とってもゴージャズで分厚く手厚い編成である。
 

A_requiem_for_katrina

 
「When the Levees Broke: A Requiem in Four Acts」という11年前のハリケーン・カテリーナによる大惨事による被害を映像化したドキュメンタリーのサウンドトラックになる。ジャズの発祥の地、ニュー・オリンズを襲った、あのハリケーンの大惨事がありありと脳裏に甦る。

テレンス・ブランチャード自身のプロデュース。実に壮大でダイナミック、繊細できめ細やか。硬軟併せ持った、非常に内容のある演奏で、最初から最後まで飽きさせない。テレンスのトランペットも見事だが、この盤では、テレンスのプロデュース能力の高さに注目だろう。素晴らしくメッセージを持った、説得力のある演奏が繰り広げられる。

音の雰囲気的には、チャールズ・ミンガスのそれに近く、音の説得力が半端では無い。40人編成のオーケストラの使い方も見事で、このアルバム全体に言えることだが、アレンジも秀逸。現地でそのハリケーン・カトリーナの悲劇を目にして無くても、聴いているそばから、ハリケーンにまつわる様々なドラマが脳裏に浮かんでは消えていく。そんな説得力のある演奏内容なのは立派。 

良いアルバムです。メッセージ性を担ったジャズの企画盤としては秀逸な内容です。即興演奏が旨のメインストリーム・ジャズとは趣向が異なるのですが、こういうジャズも「ジャズ」なんですね。ジャズの懐の深さ、包容力の高さを再認識する、なかなか聴き応えのあるアルバムだと思います。

 
 

震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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