こんなアルバムあったんや・66
今日は秋分の日。秋分の日と言えば「お彼岸の中日」。例年であればまずまず爽やかに晴れるのであるが、今日は朝から大雨の千葉県北西部地方。今年の9月はほどんど晴れ間を見ていない。
外は大雨。外出することも叶わず、それでも涼しくなった部屋の中で、窓の外の雨音を仄かに聞きながら、じっくりとピアノ・ソロのアルバムに耳を傾ける。
George Shearing『My Favorite Things』(写真左)。ジャズ・ピアノのレジェンドの一人、ジョージ・シアリングのソロ・パフォーマンス。1997年、Telarcレーベルからのリリース。Telarcなので、録音がちょっとクラシックっぽいのが面白い。
ジョージ・シアリング晩年のソロ演奏。英国生まれ、28歳で米国に渡っており、シアリングのピアノ・タッチには、そこはかと無く欧州的な雰囲気が漂うところが個性。大英帝国勲章を受勲しており、英国出身のジャズメンとしては破格のレジェンドである。
さて、このソロ・パフォーマンス集であるが、冒頭のタイトル曲を聴けば、恐らく、大多数のジャズ者の方々は頭の上に「?」が付くのではないか、と思う。それもそのはず、アレンジが実にクラシックっぽいのだ。
ジャズ臭さはほどんど無く、もとより、ファンクネスは希薄。それでも、流麗なシアリングのタッチは絶品で、心地良いテンションのもと、燻し銀の様に渋く輝く様な、落ち着いたタッチに思わす耳を傾けてしまう。
クラシックっぽいアレンジで、かなりオーソドックスな演奏なので、アドリブの妙とかアレンジの妙という楽しみ方は皆無なソロ・アルバムなのですが、シアリングのタッチが流麗かつ誠実で、演奏が進むにつれ、どんどん惹き込まれていきます。
ばりばりジャズっぽいピアノ・ソロを楽しみたい向きには全く合いませんが、ピアノ・ソロのパフォーマンスを純粋に楽しむ分には、このアルバムは実に良い雰囲気を持っていると思います。
僕もこのソロ・アルバムを聴く時は、ジャズのソロ・パフォーマンスである、という前提を忘れるようにしています。純粋にピアノのソロ演奏を楽しむ、そんな向きにピッタリなシアリングのソロ・アルバムです。
★震災から5年6ヶ月。決して忘れない。まだ5年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« プレスティッジに何故かゲッツ | トップページ | 大阪出身の改造ストラト奏者 »
コメント