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2016年9月 4日 (日曜日)

ビートルズのカヴァー集・1

ジャズの世界でも、ビートルズの楽曲のカヴァーは数知れず。特に、ビートルズの活動全盛期、1963年〜1970年辺りにかけて、ジャズの世界でのビートルズの楽曲のカヴァーは相当数になる。単発のカヴァー演奏だけではなく、アルバム全体がビートルズの楽曲のカヴァーという企画盤も相当数リリースされた。

しかしながら、ビートルズの楽曲はコード進行とリズム&ビートが特異。ジャズ曲としてカヴァーされる、いわゆるスタンダード曲と比べると似ても似つかぬコード進行を持つ楽曲が多い。しかも、リズム&ビートについては、基本的にブルースを基調としていないので、ジャズのリズム&ビートとは全く異なる。

つまりは、ビートルズの楽曲というのは、ジャズとしてカヴァーし難いのでは、と長年感じている。ジャズの世界でも、数多くビートルズのカヴァーが溢れてはいるが、以外とその内容が優れているものは多く無い。アレンジがその成否を握るのだが、そのアレンジに難点のあるカヴァー演奏が多い。名うてのジャズ・ミュージシャン達も、ビートルズの楽曲のカヴァーには結構苦戦している。

当然、そんな中、これは良いなあ、と思えるカヴァー盤、カヴァー演奏もある。そんな、ジャズとして難物なビートルズの楽曲のカヴァーについて、これは良いなあ、と思えるカヴァー盤をちょっとご紹介していきたいと思い立った。

まずはこれ。Sarah Vaughan『Songs of the Beatles』(写真左)。1981年の作品。パーソネルを見渡すと、思わず「おおっ」と思う。ギターに Lee Ritenour、ハーモニカに Toots Thielemans、そして、要のドラムに Jeff Porcaro。特に、ドラムの Jeff Porcaro の名前にビックリ。あの〜、これって、基本的にジャズのビートルズ・カヴァー集だと思うんですが(笑)。
 

Song_of_the_beatles

 
これがバッチリ当たっている。ビートルズの楽曲はリズム&ビートが特異、の部分を、ロック畑のポーカロを採用することでクリアしている。リズム&ビートにおいて、純ジャズ臭さが全く無い。といって、ビートの基本はジャズ。このビートルズ・カヴァー集でのポーカロのドラミングは「聞き物」である。

この難点の一つ「ビートルズの楽曲はリズム&ビートが特異」がクリア出来れば、後はコード進行をどう料理するか、だけになるので、実に気が楽になる。その料理(アレンジ)を担うのが、西海岸ジャズのアレンジ職人のMarty Paich, と フュージョン・ロックの雄TotoのDavid Paich。

特に、TotoのDavid Paichの採用が効いている。コード進行の処理に無理が無い。無理矢理、ジャズのコード進行に変換していないところが、このビートルズ・カヴァー集の違和感の無い「聴き易さ」に直結している。逆に、ホンノリとジャズのコード進行のイメージも見え隠れするので、ジャズとして聴いても意外と違和感が無い。

録音当時57歳。サラ・ボーンの歌唱については申し分無い。シンセサイザーの使い方など、時代を感じさせるところもあるが、アルバム全体の雰囲気として、明るくて爽快、聴いていてとてもリズミックで楽しい、ビートルズのカヴァー集になっている。

ジャケットの雰囲気は古色蒼然としていて、凡百なビートルズの楽曲のカヴァー集か、と敬遠したくなるが、どうして、このカヴァー盤、なかなかの内容なので、是非とも一度、手にして聴いていただきたいですね。

 
 

震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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