シンプルで判り易いジャズは良い
今朝は落雷の音で目が覚めた。4時半くらいだっただろうか。相当近くに落ちたのだろう、寝ぼけ眼で「爆撃か」と思ったくらいだ。以降、5〜6発は落ちたかなあ。もう喧しくて寝られない(笑)。ということで、今日は一日、寝不足の一日。眠くて眠くて仕方が無い。
そういう日には、シンプルで判り易いジャズが良い。難しいジャズなんか聴いたら「寝てしまう」。耳にグッと良い刺激が来るけど、シンプルで判り易いジャズ。「シンプルで判り易い」。大事なことである。それでは、と選んだアルバムがこれ。
Milt Jackson『Plenty, Plenty Soul』(写真左)。1957年1月の録音。ハードバップ全盛期真っ只中である。このアルバムは、LP時代のA面とB面で、それぞれ2つの異なるユニットで録音されている。ちなみにそれぞれ2つの異なるユニットのパーソネルは以下のとおり。もちろん、リーダーはMilt Jackson (vib)。
【A面(1〜3曲目)】
Joe Newman (tp), Jimmy Cleaveland (tb), Cannonball Adderley (as), Frank Foster (ts), Sahib Shihab (bs), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Art Blakey (ds), Quincy Jones (arr)
【B面(4〜7曲目)】
Joe Newman (tp), Lucky Thompson (ts), Horace Silver (p), Oscar Pettiford (b), Connie Kay (ds)
前半1〜3曲目が実にゴージャスな演奏内容だ。ヴァイブ+5管+ピアノ・トリオという構成の9重奏団。そして、アレンジがあの「クインシー・ジョーンズ」。ミルトのバックを司る5管+ピアノ・トリオだけで、その響きはもう「ビッグバンド」の響き。さすがはクインシー・ジョーンズのアレンジである。
そんなゴージャスなバックの演奏を従え、ミルトのヴァイブがシンプルに繊細に爽快に鳴り響く。演奏の展開は明らかにハードバップ。ミルトのヴァイブはジャジーでありファンキー。ビッグバンド的なゴージャスなバックの音とは対照的に、シンプルでファンキーな、そして唄う様なミルトのヴァイブ。前半1〜3曲目は「豪華でソウルフル、シンプルでポップな演奏」。
4〜7曲目の後半は、打って変わって、6重奏団の楽しく寛いだ「大ハードバップ大会」。よくよく聴けば、ファンキー・ピアノの権化、ホレス・シルバーのピアノが実に良く「効いている」。ミルトのファンキー・ヴァイブを、そっと煽る様なホレスのファンキー・ピアノ。
前半は「ソウルフル」、後半は「ファンキー」。そんな2つの雰囲気を醸し出した、正統派ハードバップの演奏が実に魅力的。そんな正統派ハードバップな演奏の中で、ミルト・ジャクソンのヴァイブが際立っている。そして、前半と後半の音の響き、重ね方に注目して聴くと、クインシー・ジョーンズのアレンジの素晴らしさが改めて良く判る。
9重奏団と6重奏団の大作。大作ではあるが、重厚さ、複雑さは全く無い。逆にシンプルで繊細で判り易い。アレンジのクインシー、リーダーでヴァイブのミルト、この二人の最大の成果がこのアルバムに凝縮されている。好盤です。ジャズ者全般にお勧め。
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