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2016年8月24日 (水曜日)

シダー・ウォルトンの傑作ライブ

ジャズ盤をいろいろと漁っていて、こういうライブ盤と出くわすから、ジャズ盤収集は面白いし、やめられない。このライブ盤3部作と出会ったのは、今から10年ほど前。シダー・ウォルトン(Cedar Walton)というピアニストに着目して、アルバムを順に聴き込んでいた頃である。

Cedar Walton Quartet 『First Set』『Second Set』『Third Set』。いずれも1977年10月1日、デンマークはコペンハーゲン、ジャズハウス・モンマルトルでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Bob Berg (ts), Sam Jones (b), Billy Higgins (ds)。ジャズハウス・モンマルトルと言えば、Steeple Chaseレーベルのライブ録音の本拠地。

Steeple Chaseレーベルは、マイルス・コレクターとして有名なデンマークのニルス・ウインターが、1972年立ち上げたジャズ・レーベル。1970〜80年代を中心に、ジャズ史に残る名盤を数多く生み出した欧州ジャズ・レーベルの老舗。このレーベルは欧州のレーベルとしては、比較的、米国系のレーベルに近い演奏の色や雰囲気を持っていて、ハードバップ系の演奏に秀作が多い。

そんなハードバップ系の秀作のライブ盤のひとつが、このCedar Walton Quartetの3部作だろう。さすがレーベルのライブ録音の本拠地だけあって、聴衆の雰囲気も良く、録音された音もまずまず。リーダーのシダー・ウォルトンのピアノの個性がとても良く判る内容である。

シダー・ウォルトンのピアノは、ハード・バップに軸足を置きながらもモーダルでモダンなサウンドが個性。決して、フリーには走らないし、モードも明らかにハードバップの延長上にある伝統的なモード・ジャズ。メインストリーム・ジャズど真ん中なピアノの展開が個性である。
 

Cedar_walton_quartet_1st_2nd_3rd_se

 
といって、シダー・ウォルトンのピアノはタッチとが手癖に明快な個性がある訳では無い。じっくり聴いていても、暫くは誰のピアノだか判らない。ずっとアルバムを聴き続けていって、やっと「これって、シダー・ウォルトンのピアノかも知れんなあ」くらいの個性。つまり、シダーのピアノは突出した個性が特徴では無く、総合力で勝負するタイプである。

そんな総合力で勝負するタイプであることが、このライブ盤3部作を聴けばとても良く判る。モダンなハードバップなピアノが主で、その傍らで、モーダルなジャズを展開する。しかし、決してフリーに走ることは無い。欧州での活動に軸足を置いているにも関わら ず、である。シダー・ウォルトンの矜持を強く感じる。

加えて、このカルテットで特筆すべきは、ボブ・バーグのテナーである。これが実に素晴らしい。パワフルなトーンとコルトレーンの流れを汲むが、コルトレーンよりも判り易くライトなアドリブ展開。このライブ盤3部作の中でガンガンに吹きまくる。ボブ・バーグのテナーの個性を感じるに最適なライブ盤3部作である。

このライブ盤、LP時代と同様に3枚のアルバムに別れているが、CDとして再編し、2枚組のアルバムとして、この3部作が一気に入手出来、一気に聴き通すことが出来る方が良いと思う。3部作を一気に聴き通した方が、シダー・ウォルトンとボブ・バーグの個性をガッチリと掴み取ることが出来る。

 
 

震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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