CASIOPEA 3rd 『I・BU・KI』
CASIOPEA(カシオペア)は、1979年にデビューして以来、僕のお気に入りのフュージョン・バンドである。ちょうど、僕がジャズを本格的に聴き始めてほどない頃、このCASIOPEAに出会った。
エレクトリック、バカテク、ダイナミックな展開。そして、なによりフレーズが印象的。バカテクのプログレ集団の様でもあり、フュージョン・ジャズの中でソフト&メロウな雰囲気へ容易に走らない、エレクトリック・フュージョンにおける硬派で骨太な存在として、僕のお気に入りのフュージョン・バンドとなった。
あれから幾年幾星霜。2006年にすべての活動を一旦休止。2012年にCASIOPEA 3rd(カシオペア・サード)として活動を再開。活動再開と同時に長年のオリジナル・メンバーであった、キーボード担当の向谷の脱退を受け、その後任として、大高清美の加入により現在の形態になる。ギターが野呂一生、ベースが鳴瀬喜博、キーボード大高清美、そしてドラムが神保彰(サポート)の4人編成。
このCASIOPEA 3rdが好調である。そして、今年も早々と新作が届けられた。CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』(写真左)。7月27日発売のCASIOPEA 3rd、3作目にあたるアルバムになる。
冒頭の「ME・ZA・ME」を聴けば、このCASIOPEA 3rdの音の個性が、3作目のアルバムにして確立された感がある。大高清美のキーボードが全面的にフィーチャーされて、野呂一生のギターと対等にフロントを張る。大高清美のキーボードが大活躍。そこに野呂一生のエレギがガッチリと絡む。
大高清美のキーボードが全面に押し出されて、重心の低い、分厚くてドッシリ安定感のある、新しい「カシオペア・サウンド」が確立されている。加えて、4人のメンバーのテクニックが優秀が故に、演奏全体の切れ味が抜群で、ダレたところが全く無い。まあ、これは、もともとの「CASIOPEAの伝統の音」ではある。
そして、この新作で特筆すべきことであるが、楽曲自体の出来とアレンジが秀逸なので、耳が疲れることは無い。分厚くてドッシリ安定感のある、流麗で聴き易さのある楽曲が素晴らしい。特に、大高清美の提供曲は出来が良い。コンポーザーとしての能力も高い。野呂一生の曲の出来の良さは「言わずもがな」で、大高の提供曲によって、バンド全体の音の幅がダイナミックに広がっている。
疾走感と爽快感が素晴らしく、このCASIOPEA 3rdの様なフュージョン・ジャズのサウンドは他の国では聴くことが出来ない。日本発オリジナルなCASIOPEA 3rdの音である。
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