「ミスターAOR」と呼ばれる男
我が愛読月刊誌「レコード・コレクターズ(略称レココレ)」の特集が「黄金時代のAOR(Adult-Oriented Rock)」。AORとは、1970年代半ばから80年代前半にかけて、音楽用語としてよく使用された「音楽ジャンル言葉」である。
実は、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では「ジャズの合間の耳休め」として流すアルバムとして、AORの好盤をよく選盤する。今回、レココレの特集として採り上げられたことで、いよいよAOR再評価の機運が高まってきたのか、と嬉しくなる。
さて、そんな我がバーチャル音楽喫茶『松和』では「ジャズの合間の耳休め」として流すアルバムとしての「AORの好盤」であるが、1980年前後から、ずっと聴き続けているAOR系のアーティストの一人が「ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)」。
ボビー・コールドウェルは「AOR」を代表するシンガーの一人。デビュー盤などを聴けばその個性は歴然としているのだが、彼のボーカルはR&B色が濃く(最初、スティーヴィー・ワンダーかと思った・笑)、ブルー・アイド・ソウル系のAORの代表格と評して良いかと思う。
僕にとってのボビー・コールドウェルと言えば、このデビューからの2枚のアルバムにとどめを刺す。1978年、デビュー盤の『Bobby Caldwell(邦題:イヴニング・スキャンダル)』(写真左)と、1980年のセカンド盤『Cat in the Hat(邦題:ロマンティック・キャット)』(写真右)。
デビュー盤の『Bobby Caldwell』には、デビュー・ヒット・シングル曲の「What You Won't Do for Love(邦題:風のシルエット)」を収録していて、収録された楽曲全てが「AOR」の名曲揃いと言っても良い。とにかく、アルバム全体のアレンジが、明快に「AOR」風のアレンジなのだ。所謂、ソフトなR&Bな雰囲気満載なのだ。
セカンド盤の『Cat in the Hat』は、デビュー盤のR&B色を少し薄めて、ポップ色を前面に押し出した、前作よりは明るい雰囲気のAORになっている。バックバンドが小編成でアレンジがシンプル。アーバンで小粋な米国ロックのアレンジを踏襲していて、これはこれで味わい深い。ポップな分、日中に流しても違和感が無い。
このコールドウェルの2枚の好盤、アルバム・ジャケットから来る印象がスバリで、僕は、セカンド盤の音世界が「アーバンな夜半前の夜の雰囲気」、ファースト盤が「アーバンな深夜の夜の雰囲気」と形容している。
我が国では特に人気が高く、AORのジャンルでは、クリストファー・クロス、ボズ・スキャッグスと並んで未だに人気が高いですね。そんな中で、ボビー・コールドウェルは「ミスターAOR」と呼ばれるくらい、AORらしさを前面に押し出したミュージシャンです。
しかし、イメージがかなり先行した邦題はどうにかならないんでしょうか。今でも、見る度に軽く赤面します(笑)。
震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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